中国社会に見られるルネサンス
中国では近年、茶道や書道などの伝統文化を楽しむ「お稽古」の人気が高まっている。簡体字ではなく、伝統的な繁体字を書く人も現れ、20代の人達にもこのような「ルネサンス」の傾向が見られる。彼らは繁体字を書くことによって、道徳を重んじた伝統文化との距離が縮まると考えているようだ。中国社会に広がる物欲主義に、閉そく感を覚えていると指摘する声もある。
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繁体字と簡体字の違いは、画数だけではない。繁体字に含まれる伝統的な意味が、簡体字から無くなってしまったのだ。例えば、愛という繁体字には「心」があるが、簡体字の爱には、心がない。漢字だけでなく、文化大革命では、古い思想、風俗、文化、習慣をすべて打破するというスローガンが掲げられ、古きよき時代の建造物や書物などの伝統文化がことごとく破壊された。
繁体字のよさを提言する上海の渡口書店のオーナー、高路さんは、「漢字の王国へ」という習字教室を開催している。異なる業界で働く人たちが週一回集まり、繁体字の練習に励んでいる。
「漢字は伝統文化へのカギ」と話す高路さん。「現代人の生活は多忙を極め、スマホをいじってばかり。大脳を使う時間が少ないから、すべての物事と隔たりがあるのです」「習字を習えば、精神世界に浸ることができます」
上海で茶道を教えて7年になる台湾出身の郭亜珊さんの下には、平均年齢35歳の生徒たちが集まる。「心を充実させ、精神を安定することができるからでしょう」とその人気の秘密について語った。上海周辺では、お茶を楽しむワークショップやカフェなどが、7年前に比べて約20倍以上増えたと郭さんは話す。
台湾中央社のインタビューに応じたある小学校の先生は、伝統文化が流行している背景について、「物資的な発展を遂げた後、人々は必ず文化の源を考えるようになります。政府が主導できるようなものではないのです」と話している。
(翻訳編集・紫蘇)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2016/12/26566.html
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