中国ガラス大手、工場建設を米国にした訳「中国なら税負担35%高い」
中国ガラスメーカー大手は、米国の3つの州で、10億ドル(約1170億円)のガラス製造工場と倉庫を建設する計画が、中国国内で話題となった。一部のメディアは「なぜ中国国内で工場を建てないのか」「曹氏を(米国に)行かせるな」などと批判した。同社会長は、米国での計画のほうが優位であると説明している。新京報が21日に報じた。
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話題となったのは、ガラス大手の福耀玻璃集団股份有限公司の曹徳旺会長(70歳)。同紙の取材に対して、企業所得税(法人税)のほか、国内の増値税(物品の販売や加工、修理など、物品の輸入を行う場合に適用される税金)が非常に高いため、中国製造業の総合的税負担は、米国と比べて35%高いと説いた。
また、すべてのコストを換算しても、米国より安い中国の労働力コストの優位性は、完全に失われると指摘した。
曹会長は「国内企業にとって、増値税は最大な負担だ」と非難する。曹会長によると、たとえば、販売価格が6000元(約10万2000円)のスマートフォンであれば、そのうちの1020元(約1万7340円)が増値税となる。また、仕入れコストは税金控除対象になるが、従業員の給料、管理費、運送費など、6000元のうちの4~5割のコストは控除されない。営業利益の半分は税金として当局に納付されるため、製造業の企業にとって収益が非常に少なくなる。
一方、米国では増値税制度はなく、税率35%の企業所得税しかない。その他の税負担を加えると、企業の総合的税負担率は40%だという。曹会長は、中国の増値税制度が原因で、国内多くの民営中小企業が事業の拡大を阻んでいるとの認識を示した。
また、曹会長は、中国の労働力コストは米国よりやや安いが、しかしベトナムやカンボジアなどのアジア他国と比べて高い。国内労働力コストの高騰の主因として、曹会長は、国内不動産価格の急騰と、公務員や銀行など、金融機関を好む若者の就職意識の変化と関係するとした。
さらに、曹会長によると、米国オハイオ州などで工場設立に関して米国政府から支持を得ており、非常に良い優遇措置を受けた。同社は工場建設予定地の現地政府から、18万平方メートルの土地を1500万ドルで購入したが、しかしその後政府の優遇措置の第1弾で1500万ドルを受け取り、「ほぼ無料で土地を使うことになった」と披露した。「米国政府が外資誘致に力を入れているから、製造大国としての復興の決心が非常に強いと感じた」と示した。
曹会長は、中国企業の税負担が高く、電気や水道などのコストも高いと公に指摘したことによって、中国政府や企業家に対して危機感を持つように呼び掛けた。「これらの問題を解決すれば、皆が(工場を建てるために海外へ)出て行かなくなるだろう」。
(翻訳編集・張哲)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2016/12/26589.html
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