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ベトナム、2016年の繊維輸出、過去10年間で最低の伸び

   
世界第5位のアパレル輸出国であるベトナムは、2001年に繊維・アパレルで220億米ドルを輸出して以降、10%〜36%の幅で毎年10桁台の伸びを維持していた。
  
税関統計を見ると、ベトナムの繊維・アパレル輸出額は1月〜11月の間に215億6000万米ドルに到達しているが、昨年同時期と比較すると4.6%の伸びにとどまっている。
 
計画投資省が最近発表した報告によると、伸び悩みの原因はアメリカやヨーロッパ、日本などの主要市場からの需要低迷にあるという。
 
通関額を見ると、今年1月〜11月の期間で47.9%を占めたアメリカへの繊維・アパレル輸出額は103億3000万米ドルと、昨年同時期から4.7%増に終わった。
 
さらに、ベトナム国家銀行は今年、ベトナムドンの価格がその他主要通貨に対して弱まるのを阻止しているが、それが繊維・アパレルの輸出低迷に追い打ちをかけている。
 
ベトナムの繊維輸出はまた、アメリカ市場から特恵関税の適用を受けているカンボジアやバングラデシュなどの外部委託先との熾烈な競争にも直面している。ベトナムのアパレルのアメリカへの市場参入は、平均関税率約11.1%という数字により制限されており、繊維・アパレル製品数品目に関しては30%近くの関税が掛けられている。
 
VinatexのTien Truong社長によると、ベトナム繊維業界の約85%の企業が労働力を要する裁断や縫製を中心としており、ベトナムが外国ファッション企業の外部委託の中核となってはいるものの、外国人投資家はベトナムより労働力が安価なミャンマーやバングラデシュ、スリランカなどの新興委託先に注目しているのである。
 
ベトナムには4つの地域別最低賃金区分けがあり、240万ベトナムドン〜350万ベトナムドン(105米ドル〜154米ドル)の幅があるが、この地域別最低賃金は2014年〜2016年の間に年間約12〜15%増加しており、来年は7.3%増加する見込みである。
 
ベトナムの輸出額は2016年最初の9か月間で1280億米ドルとなったが、年間の伸び率は6.7%の見込みと、政府が目標として掲げた10%の伸び率からははるかに下回っている。
 
またベトナム経済はアジアの中でも最も活発と広く見られているが、統計総局によれば1月〜9月の成長率は5.92%と、昨年の6.53%を大きく下回っているという。
 
さらにNguyen Xuan Phuc首相によると、6.7%に設定された今年の年間成長率は6.2%〜6.5%の数値に下方修正されている。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2681.html