協会によると、繊維・縫製業界最大の輸入市場は2016年も中国であり、輸入額の半数以上を占めているという。アメリカ向け輸出額は、対前4%増となる114億米ドルとなる見込みである。EU、日本、インド、ブラジル、ロシア、カナダも2016年のベトナム繊維・縫製業界において主要な輸入国となっていることが報じられている。
VITASは2016年の輸出売上高低迷の原因を、世界的需要が減退する中で激化する諸外国の繊維・縫製生産者との競争と見ている。Duc Giang縫製のHoang Ve Dung会長によると、品質の厳格化と納期の短縮により、注文の獲得がより難しくなっているという。
Hung Yen縫製株式会社のNguyen Xuan Duong会長は、輸入先に売値を18〜20%、時には30%も引き下げるよう要求されたことを明かした。それでもなお、幾つかの輸入先はさらに安価な取引先を他国で見つけたという。
生産コストの上昇や限られた注文、輸出者からの販売価格引き下げの圧力が、企業にとって負担となっているとDuong氏は語った。
世界的需要が低迷する見通しの中、中国やインド、バングラデシュ、パキスタンなどの主要輸出国との競争が激化し、繊維・縫製業界は2017年も苦戦を強いられると専門家はみている。
ベトナム繊維公団(Vinatex)のLe Tien Truong社長によると、EU離脱やTPP貿易協定に反対するアメリカ次期大統領ドナルドトランプ氏の影響から、アメリカとEU向けの衣料品輸出にも悪影響が出る見込みであるという。
そのため、適切な政策が施行されなければ、繊維・縫製部門の翌年の輸出成長率は5-7%にとどまる見通しであるとTruong氏は述べた。
VitasのVu Duc Giang会長によると協会は、投資プロジェクトの国内外におけるマネージメント強化や最低賃金上昇・労働時間に関する法案の見直しなど、地元産業を支援する案をいくつか商工省に提案したという。
また協会は、繊維・縫製部門の開発の調整や人材訓練のサポートに関しても要請している。
加えてVitasは、繊維・縫製事業にとって障害となっている法律関連文書の調査と見直しを行うよう商工省に提案している。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2670.html