モイアはVWグループ傘下のモビリティサービス子会社として設立され、本社をドイツのベルリンに置く。当初の従業員は約50人だが、2017年末までに大幅に増員する計画。モイアのオーレ・ハルムス最高経営責任者(CEO)は、「我々は2025年までにモビリティサービスの分野で世界トップ3に入るプレーヤーとなることを目指している」と述べ、事業拡大に意欲を示した。
新ブランドの最初の取り組みである「ライドヘイリング」では、5月にイスラエルの新興企業で配車アプリや関連サービスを提供するゲットとの戦略提携を発表した。
VWがもう一つの柱に位置付ける事業分野「プーリング」では、「コネクテッドコミューティング」とも呼ばれるアプリを使ったカープーリングサービスを提供する。公共の交通機関と個人の移動を連携した効率の良い総合的な移動サービスを目指すとしている。同分野では2017年にも最初のプロジェクトを開始する予定。VWは8月にはドイツのハンブルク市と戦略モビリティパートナーシップに関する覚書(MoU)を締結している。
VWグループは、パリ・モーターショーの開幕を前にした9月末に、世界を主導する持続可能なモビリティプロバイダーになるための取り組みとして、事業分野モビリティサービスをグループの13番目のブランドと位置づけ、独自の事業ユニットを開設したと発表した。
■ 電気バスのシャトルサービスを計画
独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、モイアはプーリングサービスの分野では、独自に開発した小型電気バスを使ったシャトルサービスを大都市に導入する計画のもようだ。目的地が同じ方向の人が共同で利用する移動サービスで、欧州の約20の大都市と協議しているという。モイアの最初の支社はハンブルクにあり、同市でプーリングサービスを開始する予定であると報じている。
また、同紙によると、モイアの従業員数は2017年末までに約200人に拡大する見通し。
■ モイアのCEO、コンサルティング出身のハルムス氏
2017年1月からモイアの最高経営責任者(CEO)に就任するオーレ・ハルムス氏(41)は、仏コンサルティング・情報技術(IT)サービス大手のキャップジェミニで戦略コンサルタントとして勤務した経歴を持つ。2008年にVWコンサルティングに転職し、VWのトップマネジメントに経営戦略などの助言をする役割を務めていた。2012年には、新規事業モデルに関する分野(New Business Models and Performance)の責任者となり、2016年末までの2年間は、新規事業モデル・モビリティサービス(New Business Models & Mobility Services)の責任者として、ゲットやハンブルク市といった提携先の開拓に奮闘した。ハルムス氏は、ゲットの取締役にも就いている。
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