ベトナム、eコマース市場の見通しは依然として厳しいまま
オンラインショッピングがベトナムにおいて牽引力を増している一方、オンライン上の決済でクレジットカードを使用することをためらう層の存在により、オンラインショッピングの販売チャンネルとしての存続の可能性に対し疑問視を持つ小売業者や卸売業者が増えてきている。
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商工省の公式統計によると、2015年のオンラインショッピングの合計は、インターネットアクセスの拡大とスマートフォン利用の増加に伴い、1年間で22.5%増となる49億米ドルであった。この増加のほとんどは、Vathia、Sendo、Tiki、Hotelなどのベトナムのオンラインウェブサイトや、国際的なe-マーケットプレイスであるLazadaやZaloraによるものである。
ベトナム電子取引IT庁の他のレポートにおいても、オンラインショッピングの利用者数と売上高は2020年までに大幅に増加するとの明るい見通しである。しかしながらこの展望とは裏腹に、多くの販売店やメーカーではeコマースに対する適性や物流、競合性において大きな課題に直面している。とりわけ、オンライン購入時にクレジットカードを利用することへの恐怖心から、ベトナムにおけるeコマース取引の90%以上が代金引換払いを選択しており、それが販売店にとって大きな悩みの種となっている。
また消費者知識とコンシューマーインサイトのグローバルリーダーであるKantar Worldpanelによると、世界的には売れ行きの3.9%を占める、本来であれば売れ筋であるはずの日用品(FMCG)部門が、ベトナムにおいては0.2%しかないという事実も見過ごされているという。簡単に言えば、ベトナムの消費者は日用品をオンラインでは買わず、実店舗や地元の市場で現金購入する傾向にあるのである。
さらに、Vinmart+やサークルK、ファミリーマートなど、日用品の主要事業者が全国に実店舗を拡大しているこの状況下では、日用品部門においてeコマースが伸びる余地が残されていないと多くの専門家は考えている。ベトナム電子取引庁の予測する展望においてはまた、世界中の発展国の主要市場では依然として実店舗が小売の基礎となっているという事実を無視している。
アメリカの市場調査会社であるeMarketerによると、インターネット時代と呼ばれる今日においても、世界中の小売販売の90%が依然として実店舗で執り行われるという。経営コンサルタントA.T.Karneyはさらに、この数字が95%近くであるとみている。ベトナム電子取引IT庁の事務所庁Nguyen Thi Hanh氏は最近、ベトナムにおけるビジネスの42%がウェブサイトすら持っていないという調査結果を発表している。
ベトナムのビジネスの19%がウェブサイトを通じて商品やサービスを売り込んでいる一方。70%のウェブサイトはスマートフォン利用者が満足にコンテンツも見られないほどお粗末なデザインのままなのである。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2660.html
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