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カンボジア、新規拡充された最低賃金法が物議

 
「プロセス全体が形式化されており、組合の力をそぐものです。」とシンクタンクFuture ForumのOu Virak代表は、この草案を読んだ後にこのように述べた。「強力で本当の意味で独立した労働組合は活動を認められず、違法扱いとなるため何もできなくなるでしょう。」
 
この法律は、アパレル産業で働く労働者の現在の最低賃金を引き上げ、カンボジア史上初となる一律最低賃金の基礎を形作るものとして喧伝されている。アパレル部門において一律最低賃金は、毎年組合代表者、経営者、政府職員の三者から構成される「最低賃金協議会」によって決定されることになる。
 
しかしカンボジア アパレル労働者民主連盟(CCAWDU)のAth Thorn代表など、労働組合リーダーらは、この最低賃金協議会において平等の投票権を得られるというニュースについては歓迎を示したものの、第25条および第26条に規定されている重い罰金条項について懸念を示した。 「罰金が重すぎて、我々は賛同できません。」とThorn代表は述べた。 「新規草案において我々が歓迎しているのは、(経営者らと)対等の立場となれる三者協議会の規定です。」
 
第25条の規定においては、「最低賃金の決定に障害となったり、議論に違法な圧力をかけたり」すると反則者と見なされ、500万カンボジアリエル(1250米ドル)の罰金が科される。しかしこの法案では「障害」や「違法な圧力」について定義しておらず、労働省のHeng Sour広報担当官は、定義の明確化についての記者からの求めには応じなかった。さらに第26条では「最低賃金の布告に反対する活動を煽る」者に対し、1000万カンボジアリエル(2500米ドル)の罰金を科すことを認めている。
 
カンボジアの林業労働者組合連合(Building and Wood Workers Trade Union Federation)のSok Kin副代表は、この2つの条項は中立的な組合にも脅威を与えると述べた。「賃金が低すぎるのであれば、労働者は抗議すべきです。」「ですが第25条を利用すれば、私たちにより良い待遇を要求することを止めるよう圧力をかけることがでるのです。」とKin氏は指摘した。「この法律は、独立した組合の活動を制限できるように設計されています。」
 
カンボジア労働組合連盟のYang Sophorn会長は草案に賛同するが、第26条について第25条よりもはるかに心配していると付け加えた。「通常ジャーナリストらは労働組合に対し、賃金の決定についての満足度についてのコメントを求めるものです。私はしばしば決定について不満を表明してきました。」とSophorn会長は述べた。「今回の最低賃金法が採択されれば、私は罰せられることになるかもしれません。」
 
労働者支援を行うNGO団体であるSolidarity CenterのWilliam Conklinカントリーディレクターは、この草案をまだ読んでいないが、第25条と第26条は恐ろしい影響を引き起こすリスクがあると述べた。「違う意見を持っている者がそれを表明することができないとしており、本来の労使交渉を妨げる可能性があります。」と彼は述べた。「ですが全体としては、この国民の最低賃金構造改善への動きは非常に良いことだと思われます。但し協議が成功への秘訣となるでしょう。」
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2658.html