米紙「ニューヨークタイムズ」は11月23日、同社員の話として、フェイスブックが中国参入のために検閲ソフトを開発していると報じた。
ニューヨーク大学上海校のクレイ・シャーキー教授(インターネットテクノロジー分野)は米誌「フォーリン・ポリシー」に対して、フェイスブックは検閲ソフトを開発してはいけない、検閲ソフトで敏感な内容を含む特定の投稿を特定地域の利用者の「ニュースフィード」に反映させないようにコントロールしても、「中国当局は満足しないだろう」と述べた。
シャーキー教授は「中国市場に参入するなら、当局は必ずフェイスブックに対して利用者データの開示を要求する」「国内だけではなく、世界各国にいる中国人の個人情報の開示も要求するだろう」と指摘している。
米検索エンジン大手のグーグルでグローバル公共政策部門責任者だったアンドリュー・マクローリン氏も同誌の取材に対して、シャーキー教授と同様の認識を示した。同氏は「当局は、外国人利用者の詳細なアカウント情報や個人的な情報のやり取りなどの開示をフェイスブックに迫るだろう」と述べ、当局がフェイスブックに対して、中国人だけではなく外国人利用者への監視協力を要求する懸念を示している。
「最悪なことに、交流サイトであるフェイスブックが持つ特質から、中国当局はすべての外国人利用者の投稿を目にすることができる」「もし外国人利用者に中国人友達がいれば、中国国家安全保障当局は(中国人友達のアカウントを通じて)外国にいるこの利用者のすべての投稿を読み取ることができる」「中国国内の利用者が外国にいる利用者の投稿に『いいね』と押せば、またはコメントをすれば、このやり取りが中国人利用者のアカウントに表示される。同様に中国当局に検閲の対象になる」とマクローリン氏と述べた。
また「フェイスブックが固有する浸透性、流動性、半公共的な共有動態の特徴から、中国のフェイスブックの子会社は、外国人利用者の投稿やコメントなどの情報を当局から守る手段がないだろう」と指摘した。
しかし一方で、シャーキー教授とマクローリン氏はフェイスブックは中国進出しても、「成功する可能性はゼロであろう」ともしている。
シャーキー教授は「テクノロジーブロガーのベン・トムソン氏はかつて、中国当局は外国企業に対して国内交通インフラ施設の所有権の保有を許可しないと指摘した。当局は中国人同士がコミュニケーションに利用するメディアの所有権に関しては特に厳しい」と示した。
「インスタントメッセンジャー・サービスが誕生して20年も経った今、中国で成功した外国の交流サイトは一つもない。グーグルも、インスタグラムも、ツイッターも成功していない。アップルですら、中国当局はネット上び映像配信サービス「iTunesムービース」と電子書籍配信サービス「iBooks」を停止した」との見解を示した。
また中国市場に外国企業が進出する際、必ず中国現地企業と合弁会社を設立しなければならず、「中国の法律では、外国企業は現地企業との合弁企業の49%の出資比率しか認められない。また51%の所有権が現地企業にあるため、フェイスブックは中国市場における経営主導権や意思決定権が大幅に後退するリスクを負わなければならない」とマクローリン氏は指摘している。
ソース:http://www.epochtimes.jp/2016/12/26486.html
(翻訳編集・張哲)