欧州委員が金融規制改革案を発表、大手外銀に持ち株会社設置義務
欧州委員会は23日、EU域内で事業展開する外国の大手銀行に対する規制強化案を発表した。金融危機の再発防止に向けた包括的な金融規制改革案の柱の1つで、大手外銀に持ち株会社などの設置を義務付けて監督体制を強化し、EU域内に十分な自己資本を確保させるのが狙い。米国や日本などの大手行に加え、英国のEU離脱後は英銀行も規制対象となる見通しだ。欧州議会とEU閣僚理事会で欧州委の提案について検討する。
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大手外銀に対する自己資本規制が適用されるのは、「国際的な金融システム上、重要」な金融機関や、EU域内で300億ユーロ以上の資産を保有する銀行。米国では7月、カナダや欧州、アジアに本拠を置き、米国内に500億ドル以上の資産を保有する大手行を対象に、米事業を統括する中間持ち株会社の設置を義務付け、米国の銀行持ち株会社と同等の健全性要件を課す新規制が導入されており、欧州委の提案はいわばこの「EU版」。新ルールが導入されると大手外銀は本国だけでなく、EU域内でも十分な自己資本を確保しなければならず、新たに数十億ドル規模の資本が必要になるとの見方が出ている。
欧州委はこのほか、国際的に事業展開している銀行の健全性維持を目的とした自己資本規制の新たな枠組み「バーゼルⅢ」に基づき、EUが2013年に制定した資本要求パッケージの改正案を提示した。具体的には◇EU域内で事業展開する金融機関と投資会社に適用するレバレッジ比率(自己資本に対する有利子負債等の割合)の最低水準を3%とする◇運用資産の流動性リスク管理を強化するための新たな指標「安定調達比率(NSFR)」について、銀行と投資会社に対し100%以上の維持を義務付ける◇「大き過ぎてつぶせない」巨大銀行の問題に対処するため、国際的な金融システムで重要な銀行に対し、破綻時に備えて一定の損失吸収力(総損失吸収能力=TLAC)を確保させる――などを提案している。
ソース:http://fbc.de/eur/eur3659/
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