2016年10月27日
カンボジア、政府が労働コンプライアンスプログラムを延長
カンボジア政府とベターファクトリーズカンボジア(BFC)は15年にわたる労働コンプライアンスプログラムを2019年まで延長することを決定した。業界専門家は政府独自の労働査察部門の強化が必要な時期に来ていると話す。BFCの15周年式典で、Ith Samheng労働大臣は、労働省は査察システムの強化を図っており、46の州及び国レベルのチームが創設されたが、今後も努力が必要だと述べた。
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「労働省の査察システムはBFCとの協調で機能してきました。しかし、労働省査察官の能力を強化し、労働法の遵守を強化していく必要があります」とSamheng大臣は述べた。
BFCの報告書はカンボジア全土の577の輸出用縫製工場で法令違反を報告しているが、法令遵守は政府の労働査察官の仕事である。Samheng大臣は、労働省は今年およそ6000件の査察を実施し、56社で労働法違反を摘発したとするものの、それ以上の詳細には触れなかった。
カンボジアの縫製分野では長年にわたって劣悪な労働条件がはびこっており、頻繁な労働者の昏倒や短期雇用契約、危険な労働条件などが見受けられるしかし、BFCが7月に発行した報告書によると、2015年に査察を受けた381工場の47%が労働法を遵守しており、これは前年の28%を大きく上回っていた。国際労働機関(ILO)バンコク事務所のMaurizio Bussi 所長は、ILOはカンボジア政府に対し、BFCによる査察への依存度を徐々に低下させるための計画で支援を行っていると述べた。
「持続可能な移行計画が必要になります。移行計画なしでは、このモデルは立ちいかないでしょう」とBussi所長は話す。BFCは輸出製品製造工場のみ査察し、状況が良くないことが多いといわれる下請工場を査察していないという批判に対しては、それは労働グループの権限外であるとしつつも、政府による査察の増加で縫製セクターのより多くの範囲での法令違反をカバーすることができるのではないかと述べた。
しかし、労働者保護の非政府組織(NGO)連帯センターのWilliam Conklinカンボジア事務所長は、ILOはなぜ今政府の実施組織強化を図ろうとしているのかを疑問視する。理想的には、BFCは今までのプログラムにおける協力体制の中で労働省の査察システムの改善を行い、その体制がすでに確立できているようにすべきであったと話す。
Conklin所長は、今までの15年間、縫製産業はBFCプログラムを「お墨付き」のように利用し、労働条件や生産性など構造的な変化の不足を隠してきたと指摘する。「BFCを責めることはできませんが、縫製産業はあまり変化していませんし、それは今でも問題です」と彼は指摘する。
ソース:http://apparelresource.asia/news/
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