経済省が異例の措置、中国資本の独社買収で承認撤回
半導体製造装置の有力メーカーである独アイクストロンは24日、中国の投資会社・福建芯片投資基金(FGC)が同社を買収する計画への承認をドイツ経済省が取り消し再審査を行うことを明らかにした。独当局の承認撤回は異例で、国外からの投資にブレーキをかける保護主義的な措置だとの批判も出ている。
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アイクストロンは昨年末、中国の半導体大手・三安光電から大規模なキャンセルを受けて経営が大幅に悪化。今年5月にFGCへの身売りを決めた。FGCは独子会社グランド・チップ・インベストメント(GCI)を通した株式公開買い付け(TOB)でアイクストロンを買収する計画で、14日には同株59.97%を確保し、TOBの成立条件である同50.1%を上回ったと発表した。
独経済省は同計画を9月8日に無条件で承認したが、今月21日になって取り消しと再審査をFGCに通告した。GCIの25日付プレスリリースによると、独政府はアイクストロンが軍事分野の技術を持っているとの情報を取得したとして承認を撤回。貿易法に基づいて買収計画を審査する。貿易法には安全保障に関係する独企業の資本25%超をEU域外の企業が取得することを禁止・制限できるとの規定がある。
FGCのアイクストロン買収計画をめぐっては三安光電が資金面で支援していることが最近になって発覚しており、これが影響した可能性もある。
ただ、経済省が承認撤回という異例の措置を取った背景はより深いもようだ。広報担当者はメディアの問い合わせに対し「ガブリエル経済相は(個別事案である)アイクストロンの件を超えた次元で、(外資による)買収にオープンでない国々とどのように付き合っていくべきかをよく考えなければならない、と何度も示唆してきた」と回答した。
経済省は10月中旬、外資による自国企業への出資を制限するための政策案「欧州連合(EU)レベルでの投資検討のための提案概要」を関係省庁に送付した。EU域内企業の議決権25%超を域外企業が取得しようとしても、加盟国政府が拒否権を行使できるという内容。具体的には出資が◇外国政府の産業政策に基づいている◇外国政府の補助金を受けて行われる◇国営・半国営企業によって行われる◇EU企業の市場参入を制限している国からの直接投資――に該当する場合、加盟国政府が審査を実施し、必要に応じて不承認とすることをできるようにする内容だ。
ソース:http://fbc.de/sc/sc38843/
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