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ベトナム、依然として外国投資家を惹きつける繊維・アパレル産業

 
2014年、2015年はベトナムにおいて外国の繊維・アパレル企業の到来ラッシュが続き、2015年だけでも20億米ドルに相当する海外直接投資(FDI)が繊維・アパレル産業に注ぎ込まれた。最も大きな3つのプロジェクトだけでも登記資本金は10億米ドルとなっている。
 
トルコ資本の製糸メーカーHyosung Dong Nai社は資本金6.6億米ドルを投資している。また台湾のPolytex Far Eastern社による繊維・アパレル製品工場の登記資本金は2.74億米ドル、香港資本の企業Worldon Vietnam社は1.6億米ドルである。
 
しかしながら、繊維・アパレル業界へのFDI注入は今年小康状態となっており、外国投資庁(FIA)によると、今年最初の5ヶ月間の大型海外直接投資(FDI)案件の一覧には繊維・アパレルのプロジェクトは入っていなかったと言う。
 
巨額の資本金がつぎ込まれたのは全て製紙、不動産、電子機器、風力であった。ホーチミン市繊維・衣料・刺繍協会のPham Xuan Hong会長のコメントによると、外国投資家がプロジェクトの遅延を決定したのはベトナム経済に問題があるわけではなく、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関するニュースを待つ必要があったためであるという。
 
ベトナム綿紡績協会のNguyen Hong Giang副会長は、資本金の注入は下降しているものの、ベトナムは外国投資家にとって依然として非常に魅力的であるとコメントした。Giang氏が引用した米ファッション業界団体の報告によると、仮に中国への注文を移転する必要がある場合、68.8%の外国小売業者・ブランドがベトナムを移転先として最優先に検討したいという。
 
以前はバングラデシュが優先国であったが、複雑な政治問題が原因となり人気はなくなっている。またベトナムは生産コストが魅力的であり、特恵関税もある。土地やエネルギー、労働力への出費を含むベトナムの生産コストは中国よりも格段に低い。さらに、ベトナム=日本、ベトナム=韓国、ベトナム=EU間のFTAにより特恵関税の恩恵を受けることができる。
 
従って、アメリカ大統領選に関する情報が中国に続く海外直接投資(FDI)の波をベトナムに押し出す要因となり、時が来れば海外直接投資(FDI)の波はさらに続くとGiang氏は考えている。
 
またカンボジアやミャンマーを含むライバル国により受注の大規模な損失があったことに関しては、「世界の需要に問題がある」とGiang氏はコメントした。
Giang氏が引用したコンサルタント会社の報告によると、カンボジアメーカーに発注されたオーダー数は30%減少しているという。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/