9月26日のヤンゴン製品見本市での会見にて、ミャンマー縫製業者協会(MGMA)のU Myint Soe会長はMyanmar Times誌に対し、この制裁解除により米国のグローバル衣料小売業がミャンマーと自信を持ってビジネスを行うことが可能となり、金融取引上の制約がなくなることにより、多くの米国間貿易を推し進めることが可能となり、未熟な国内産業に恩恵がもたらされるだろうと述べた。
彼は現状日本、欧州、韓国がミャンマーのアパレル輸出の主要市場であるが、米国がそれに続くことになるだろう、とした。「昨年まで米国市場に対する商品輸出は多くありませんでした。」とU Myint Soe会長は明らかにした。「米国への輸出が少ないのは、経済制裁によるところが大きいと言われています。」
しかしアパレル業界は、そうした状況がまさに今変わろうとしていると確信を深めている、とU Myint Soe会長は述べた。2001年には衣料品の輸出売上高は8億1700万米ドルにも達し、石油とガスに次ぐ輸出産業であった。当時米国向けは衣料品輸出の約65%を占めていた、と彼は述べた。
「我々が今日もしこの市場を取り戻せたなら、2017年の衣料品輸出は30億米ドルにも達するでしょう。」とU Myint Soe会長は予想した。このMGMAの責任者は、経済制裁の解除と同時にバラク・オバマ米大統領によって表明された一般特恵関税制度(GSP)への再認定については、対象となる5000品目リストに衣料品が含まれないため、EU間の同様の貿易協定のような便益はすぐには得られないだろう、と述べた。
輸出量の増加は結果的にアパレル業界に対する多額の外国投資を招くであろうが、貧弱なインフラはなおも外国直接投資にとって大きな障害となる。
投資を刺激するには、税制上の優遇措置や物流コストについてもより明確にしなければならない、とU Myint Soe 会長は続けた。「特に地元の工場は政府の税制における支援を必要としており、それがなければ今後5年以内に廃業に追い込まれることになるでしょう。」と彼は述べた。
見本市の会見の場でBaw Ga Mandaing Manufacturing社のU Thein Naing社長は、世界最大の消費市場である米国への輸出増加は、地域産業にとって大きな成果となると述べた。「EU経済は現在減速しているため、制裁が解除されれば米国市場はミャンマーのアパレル部門が飛躍を遂げるための新たな原動力となるでしょう。」と彼は述べた。
ただしこうしたビジネスチャンスを活用するには、業界標準を高めるためにすべきことが山積している、と彼は指摘した。「現在日本に輸出していますが、彼らの品質基準を満たすのに非常な苦労をしており、まだ定期注文を獲得することはできていません。」と彼は述べた。
織物貿易見本市を主催するフランスのMesse Frankfurt社のMichael Scherpe社長は、「輸出市場は依然として中国やバングラデシュなどの国に支配されているが、ミャンマーは着実にその地位を高めてきている」とした。「2013年以降、非常に短い期間でミャンマーはとても良い成果をあげています。」と彼は述べた。