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ドイツの製造業輸出高、リーマンショック以来の下落幅

 
ドイツ連邦統計局が9日発表した7月の輸出高(暫定値)は前年同月比10.0%減の964億ユーロと大きく落ち込んだ。下落幅が2ケタ台に達したのは米銀リーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発する世界的な金融・経済危機の最中にあった2009年10月以来で、およそ7年ぶりである。
 
比較対象の15年7月は輸出水準が極めて高かったほか、今年は夏季休業を7月に設定する工場が多かったことが響いた。ただ、そうした事情を差し引いても減少幅は大きい。
 
輸出はすべての仕向け先地域で減少。特に欧州連合(EU)域外は13.8%減の401億ユーロと下落幅が大きかった。ユーロ加盟国は6.0%減の355億ユーロ、EUのユーロ非加盟国は8.8%減の208億ユーロだった。
 
EU域外向けの落ち込みが大きいのは新興国の経済が低迷しているためだ。ロシアやブラジルなどの資源国は資源価格の大幅下落で大きな痛手を受けている。中国も経済の構造転換が進まず足取りがおぼつかない。ドイツ企業にとってはこのほか、ユーロ高も追い打ちをかけている。
 
7月の輸入高は769億ユーロで、6.5%減少した。EU域外からが10.1%減の256億ユーロに後退。ユーロ加盟国は4.4%減の354億ユーロ、EUのユーロ非加盟国は4.8%減の159億ユーロだった。貿易収支の黒字幅は195億ユーロで、前年同月から21.4%減少。経常黒字は26.8%減って186億ユーロとなった。
 
1~7月の輸出高は6,993億ユーロで、前年同期を0.3%下回った。EU域外向けが3.2%減少し、足を引っ張った格好だ。同輸入高は0.7%減の5,494億ユーロで、貿易黒字は1.1%増の1,499億ユーロに拡大。経常黒字は9.9%増えて1,562億ユーロとなった。
 
連邦経済省が7日発表した7月の製造業生産指数も物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比2.3%減(暫定値)と振るわなかった。世界需要の不振が響いた格好。製造業新規受注指数は前月比で実質1.9%減となった4月以降、4カ月連続で低迷しており、経済省は9月の月報で、製造業の景気回復は当面ないとの見方を示した。