フィリピン作品が金獅子賞、ヴェネツィア国際映画祭で
国際的な映画祭は各国で花盛りだが、伝統と権威を持つ映画祭はフランスのカンヌ映画祭、ドイツのベルリン映画祭、イタリアのヴェネツィア映画祭を世界3大映画祭と業界では評価している。
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9月上旬から開催されていた第73回ヴェネツィア国際映画祭で、フィリピンから出品したラブ・ディアス監督映画『Woman Who Left』(立ち去った女)、タガログ語題名『Ang Babaeng Humayo』が、世界各国からの応募作品19作を退けて同映画祭で最高賞となる金獅子賞を受賞した。
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同作品はトルストイの短編小説から着想を得て製作され、冤罪のために長期間投獄され復讐する女性の姿を描いた4時間に及ぶ長編作で、主演女優の出身地ミンドロ島で撮影が行われた。
フィリピンは映画産業が盛んで、アメリカのハリウッドで映画製作技術を身に付けた人材も豊富で、日本などよりもこういった国際映画祭向けの作品の受賞する機会も多い。
ちなみに日本の同映画祭受賞歴だが、金獅子賞では1951年黒澤明監督『羅生門』が初受賞し、1958年稲垣浩監督『無法松の一生』、その後長く受賞を逸していたが1997年北野武監督『HANA-BI』で3回目の受賞。
北野監督は2003年『座頭市』で次席になる銀獅子賞も受賞している。この銀獅子賞では1989年熊井啓監督『千利休 本覚坊遺文』も受賞している。
また最優秀主演男優賞では三船敏郎が1961年『用心棒』と1965年『赤ひげ』で受賞していて、両作品監督の黒澤明と共に名声を高めた。
なお、3大国際映画祭の一つである、カンヌ映画祭では今年、フィリピン作品の『Ma Rosa』に主演したジャクリン・ホセが最優秀女優賞を受賞していて、フィリピン映画界にとって今回のヴェネツィア国際映画祭での作品賞受賞は2度目の快挙となった。
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