カンボジア、アパレル研究所を2017年に開設、競争力強化狙う
近年カンボジアはバングラデシュ、ベトナムなどの国々同様、低賃金、高スキル労働者を求める企業から、自国縫製工場に対する定期的な受注をつなぎとめるのに四苦八苦している。しかし来年初めに開設される予定のカンボジアアパレル研究所(CGTI)は、そうした状況を変えようとしている。その創設団体であるカンボジア縫製業協会(GMAC)によると、この研究所では国際標準レベルのファッションデザイン、パターン制作、品質確認管理方法を教育することにより、アパレル産業全体の競争力を高めることとしている。
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「我々にはこのようなスキルが必要であり、すべてのカンボジア人が参加することを望んでいます。労働者らも自らのスキルを埋めていくために、変わる必要があります。トレーニングは英語で行われますが、クメール語にも翻訳する予定にしています」とGMACのLy Tek Heng運営マネージャーは述べた。この研究所の目的についてTek Heng氏は、地元民に国際的なバイヤーからの仕事を受けるためのスキルや処理能力をつけさせ、工場内における最低の地位から脱却する準備することであると述べた。「我々の中には監督者や労働者は多くいるのですが、中間管理職はほとんどいません」と彼は言った。
GMAC月報によるとCGTIは9月までに機能を整え、アパレル産業の様々な分野において、基本的な縫製クラスからハイレベルな専門知識やパターンメーキングまで、すべてのレベルの労働者にサービスを提供することを目指す。
GMACのVan Sou Ieng会長は、「CGTIはアパレル・履物生産工場における人材ニーズを満たし、管理職やその他熟練作業を外国人労働者に依存している状況を改善するのに役立つでしょう。」との見通しを示した。GMACのニュースレターは、ほとんどの工場の経営者や幹部はカンボジア人ではなく、このポジションに必要なスキルを持つ人材をローカルで見つけることが難しいため、多くの場合は中国、台湾、シンガポール、韓国から招いていることを明らかにした。
GMACは最初の研修コースを2017年4月に開始することとしている。GMACによると、大半のカンボジア工場では低い生産性に苦しんでおり、最高レベルの工場でその生産性は65%に届く水準であるのに対し、いくつかの工場では35%程度である。
国際労働機関(ILO)は、生産性の下落やインフラコストの上昇によりカンボジアのアパレル産業は、ライバルのベトナム、バングラデシュやミャンマーと競争する際に不利な立場に追い込まれているとした。
この新しい研究所のニュースは、GMACの上級役員が今年の年初来8か月間で70以上の工場が閉鎖された一方で、新規開業はわずか20であったことを明らかにした翌日に公表された。この閉鎖はカンボジアに対する履物や衣料品のバイヤーからの注文が約30%も減少したことによるものであるが、影響はそれだけではなく、労働時間の減少も引き起こしている。
「私は政治の状況がビジネス、経営者と投資家の双方に影響を与えていると思います。国が政治に不安定性を抱えている場合、そこに投資を行うことは難しく、特にバイヤーから懸念が示されています」とTek Heng氏は述べた。「政治的な問題、違法なデモや、ベトナム、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジアなど他のアパレル製品・履物輸出国との競争は、投資家にカンボジアに対する投資を思いとどまらせており、バイヤーにもカンボジアに発注することを躊躇させています」
GMACは、今回の研究所新設が工場のコスト削減や生産性向上に寄与することを期待している。「この新しい研究所において、より良い仕事をもたらすような教育を提供することにより、生産性低下の流れが逆転することを願っています」とGMACのKen Loo書記長は述べた。
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