カンボジアで繊維産業展示会開催、自動化に向かう縫製工場
高付加価値で世界市場でも通用する製品によって人件費の高騰に対応しようと、カンボジアの縫製企業は最新の機材を購入するようになっている。カンボジア縫製業協会(GMAC)のLy Tek Heng事業部長は、世界的な競争が過熱する中、工場労働者の人件費高騰で低付加価値の衣類・履物の生産においては利益が減少する一方であると話した。
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「人件費の高騰が続く中、低付加価値製品の生産では競争できません。大規模企業はより高価格で売れる製品を生産するため、より進んだ資材や機械を使うようになるでしょう。市場のニーズをおさえた機材や機械の更新を行わない工場経営者はさらに厳しい競争にさらされることになるでしょう」とHeng事業部長は述べる。
第6回カンボジア国際機械産業フェア(CIMIF)およびカンボジア国際繊維縫製産業展示会(CTG)を前に8月22日に開催された記者会見でHeng事業部長は上記見解を述べた。両イベントは8月26日にDiamond Island Convention and Exhibition Centreで開幕する。
4日間の会期中、これらイベントでは14カ国の約200企業が展示を行う。繊維産業展示会の展示ブースでは、ミシン、自動織機、裁断やアイロン機材など縫製産業向けのさまざまな機材が展示される。
展示会を企画したYorkers Trade & Marketing ServiceのAkai Linプロジェクトマネージャーは、中国での事業費用高騰により縫製企業はカンボジアを含むアセアン諸国に生産基盤を移転しつつあるが、中国よりかなり低い人件費であっても、最低賃金の上昇に伴ってより先進的な工場機材への需要が増えていると話す。
「大手縫製工場の関係者の多くが機材へのより多額の投資意欲を見せています。製品の品質向上と生産性向上のためにこうした機材が必要なのです」とのこと。
国際労働機関(ILO)が先月発表した報告書によると、カンボジアの繊維・縫製・製靴(TCF)労働者の88%に自動化と先進技術により失業する高いリスクがあるという。報告書では、3Dプリンティング、ボディスキャニング技術、コンピュータ支援設計(CAD)、ロボットによる自動化を含む、縫製産業に混乱を招く可能性のある技術を概説している。
「多様化に至っていない製造業の主力が繊維・縫製・履物生産であり、それが製造業雇用全体の6割程度を占めるようなカンボジアをはじめとする国々では、自動化と先進技術は他国よりさらに大きなインパクトを与えるだろう」と報告書は述べている。
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