江崎グリコが海外でアイスを販売するのはタイが初めてで、今年1月に「ジャイアントコーン」など4ブランド8品を売り始めた。製造は現地企業に委託しているという。一方で「ガリガリ君」の赤城乳業も日本からの輸入販売の形で今年タイに進出した。
東南アジアのアイス市場はユニリーバやネスレなど欧州勢が切り開き、低価格品から高価格品まで幅広い品ぞろえで顧客層を広げてきた。しかし、今回江崎グリコや赤城乳業が狙うのは「中価格帯」の商品による中間層の獲得である。安さよりも品質や味で勝負する。
両社にとって最大の課題は、自営店舗が販売の主流である東南アジアでいかに販路を拡大するかである。ユニリーバやネスレは移動販売のための販売代理店を各地にもち、中でもユニリーバはタイだけでもバイクや自転車などの移動販売車を5000台有し、商品の販売店舗数は6万店を超える。コンビニエンスストアやスーパーなど量販店の販売網に頼っている日系企業がいかに現地の販売網を取り込むかがカギとなる。
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