ドイツの環境対応車の普及策空振りか、購入助成金の申請少なく
独連邦経済輸出監督庁(BAFA)は4日、電気自動車(EV)などの環境対応車を対象とする購入助成金の申請統計を発表した。それによると、7月2日の受付開始から同日までの1カ月強の申請件数は1,794件だった。政府が景気対策で2009年に導入した新車買い替えプログラムでは受付開始後のわずか数日で申請件数が15万件に達しており、これに比べると反応が鈍い。
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政府・与党は環境対応車の普及が低調なことを受けて、購入補助金制度を議会で可決。7月2日から受付を開始した。助成対象となるのはEV、プラグインハイブリッド車(PHV)および燃料電池車(FCV)。4日までの申請件数の内訳はEVが1,194件、PHVが597件。FCVの申請はこれまでのところ行われていない(助成対象のFCVは現在、現代自動車の「ix35 Fuel Cell」のみ。トヨタ「ミライ」はカタログ価格が7万8,600ユーロと高く、同6万ユーロの上限規制に抵触するため助成対象外。ホンダ「クラリティ・フューエル・セル」は独市場に投入されていない)。
助成額はEVが4,000ユーロ、PHVが3,000ユーロで、これをもとに計算すると現在の申請総額は656万7,000ユーロとなる。助成総額が2019年末までに最大12億ユーロに上ることを踏まえると、申請状況は低調だ。
助成申請が少ないことの背景には、航続距離がガソリン車などに比べ依然として短いうえ、割高感と充電インフラ不足も解消されていないことがある。これらの問題がある限り、環境対応車の利用のすそ野は広がらないとみられる。
申請件数をメーカー別でみると、最も多いのはBMWで581件に達した。これにルノー(444件)、VW(154件)が続く。日本車では日産と三菱がトップ10入りを果たした。(表を参照)
モデル別ではBMWのEV「i3」が339台で最も多かった。2位はルノーのEV「ZOE、インテス」(253台)、3位はBMWのPHV「225xe」(199台)。日本車では三菱の「アウトランダー・プラグインハイブリッド」が77台で6位に付けている。
申請件数1794件のうち、1,158件は個人によるもので、企業は618件だった。
州別でみると、バイエルンが468件で最も多かった。2位はバーデン・ヴュルテンベルク(357件)となっており、上位は南部州が独占している。3位は人口が最も多いノルトライン・ヴェストファーレン(307件)、4位は北部のニーダーザクセン(156件)だった。ヘッセン州(143件)も100件を超え、5位に付けている。また首都ベルリンは38件と少なかったものの、PHVが24件に上り、EV(14件)を大きく上回った。
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