ユーロ圏ではガソリン価格の下落などで1~3月に個人消費が大幅な伸びを示した反動で、今期は伸びが鈍化した。一方、英国が6月下旬の国民投票でEU離脱を決めた影響は今回の統計にはほとんど反映されていない。ただ、EU離脱交渉の行方は依然として不透明で実体経済への影響が懸念されており、各地で相次ぐテロ事件などとともにユーロ圏経済の先行きに影を落としている。市場では原油価格下落のメリットが相殺されることやユーロ安などの要因により、今年後半はさらにユーロ圏経済が減速するとの見方が出ている。
ユーロスタットは国別のGDPを公表していないが、29日までに発表された主要国の統計によると、フランスはストライキの影響などで個人消費が落ち込み、4~6月期のGDPがゼロ成長となって前期の0.7%増から大きく落ち込んだ。スペインも前期の0.8%増から0.7%に減速した。これに対し、3月にテロが発生したベルギーは観光業などに影響が出たもようだが、GDPの伸びは前期の0.2%増から0.5%増に拡大した。