対英輸出・投資が減少見通し、EU離脱後は特に厳しく=企業アンケート
独商工会議所連合会(DIHK)は7日、ドイツの対英輸出予測を大幅に下方修正した。英国が6月23日の国民投票で欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を決めたことを受け英国経済の悪化が避けられなくなっているためで、多くの企業は対英投資や現地雇用の縮小も予想している。英国のEU離脱後は状況が一段と悪化する見通しだ。
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DIHKは英国民投票直後の27日から29日にかけて加盟企業5,672社を対象に緊急アンケート調査を実施した。調査対象には英国企業の独子会社・支店も含まれる。
アンケートではまず、英国のEU離脱交渉期間(EU法の規定により離脱通告から原則的に最大2年)中に「御社の対英輸出がどうなると思いますか」と質問。27%が「減少」と回答し、「増加」(4%)を23ポイント上回った。
英国は交渉期間中、EU加盟国としての権利をこれまでに引き続き享受できるものの、離脱決定を受けてポンド相場は大幅に下落し輸入見通しが悪化している。DIHKはこうした事情を踏まえ、ドイツの今年の対英輸出成長率を従来予測の5%からマイナス1%へと6ポイント引き下げた。来年は減少幅が5%に拡大するとみている。
アンケートでは離脱後の対英輸出見通しについても質問。「減少」との回答は51%に達し、離脱交渉期間の27%を24ポイント上回った。食品製造業界では「減少」が68%に達している。
英国からの輸入に関しても同様の傾向がみられ、「減少」との回答は交渉期間中が28%であるのに対し、離脱後は49%に達した。同国との貿易は輸出と輸入の両面で縮小する見通しだ。
英国に子会社や支店を持つ企業を対象に対英投資の今後を問うたた質問では「減らす」が35%に上り、「増やす」(7%)を28ポイント上回った。
一方、英国企業の独子会社・支店でドイツ投資を「拡大する」との回答は21%に上り、「縮小する」(7%)を14ポイント上回った。ドイツでの雇用に関しても「拡大」(24%)が「縮小」(5%)の約5倍に達しており、英国企業はブレグジットに伴う不利益を相殺するためにドイツをはじめとするEU事業にこれまでよりも注力する見通しだ。
ブレグジットに伴うリスクとしては「非関税障壁の増加」との回答が最も多く73%に達した。英国企業との取引に必要な文書など事務手続き上の負担が増えると予想されるためだ。EU離脱の動きが他の加盟国にも広がる懸念があることから、「政治・法的な不確実性の高まり」との回答も多かった。
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