ドゥテルテ政権、共産勢力との和平交渉7月から再開決定
6月30日に発足するドゥテルテ政権は、国内の2大不安要因の一つであったフィリピン共産党の統一戦線組織である『民族民主戦線=NDF』と公式交渉を再開すると表明し、発足する閣内に左派系の人物を起用していた。
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このほどフィリピン共産党最高指導者のホセ・マリア・シソン(ノルウェーに亡命中)【写真】などNDF側和平担当者と次期政権側和平担当側者が事前協議を行い、7月第3週からノルウェーのオスロで正式に交渉を再開することを決定した。
これは5年ぶりの交渉再開でアキノ政権が発足した2010年、政府側とNDFとの交渉は進められ、政治犯を巡る扱いで交渉は紛糾し、2011年2月の第1回会合を開いたのみで終わっていた。
しかしながら新政権発足の勢いで目玉になる政治案件を解決しようとするドゥテルテ次期政権も、同様な事態になるのではとの観測もある。
これはもう一つの不安要因であったイスラム反政府勢力との和平交渉が、見通しの甘さからアキノ政権下で結局成し遂げられず次期政権に丸投げされる形となり、政権が変われば事態が進展すると見る同様の政治判断への問題が指摘されている。
フィリピン共産党は傘下に軍事組織として『新人民軍=NPA』を持ち、マルコス政権時代から国内各地で武装闘争を続け、現在は一時の兵力を失っていると見られているが、山間部を中心に活動は活発で、鉱山開発などをする資本側に対して焼き打ちなどの攻撃を加え、毎日のように国軍と戦闘行為を続けている。
今回再開される和平交渉の中味は歴代政権とNDFの間に行われてきた内容に沿って行われ、その対象は①過去の合意内容再確認。②経済、政治改革、改憲、停戦とそれに続く武装解除。③1995年に双方で締結した『党員の不逮捕など免責特権に関する合意』の再編成。④全政治犯への恩赦付与。⑤一時停戦合意。の5項目となっている。
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