ドイツで派遣社員の権利強化へ、9カ月で同一賃金・18カ月で正社員に
ドイツ政府は1日の閣議で、被用者派遣法改正案を了承した。派遣社員の権利を強化するとともに、派遣社員の増加で雇用者に対する正社員(被用者)の立場が弱体化することを防ぐことが狙い。連邦議会(下院)の採決を経て来年1月1日付で施行される見通しだ。
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現行法では派遣社員を特定の企業1社に派遣する際、派遣期間の上限が設定されていない。このため、正社員と同様の仕事を長年行っているにもかかわらず、身分は派遣社員のままというケースが多い。政府はこれを問題視。改正法案では特定の1社への派遣期間を最大18カ月とし、これを超える場合は派遣先企業が自社の社員として採用しなければならないと明記されている。
ただ、各業界の労使は労使協定を締結して派遣期間の上限を延長することができる。また、労使協定の拘束を受けない企業は業界のそうした協定を従業員代表の事業所委員会(Betriebsrat)と合意のうえで採用できる。
改正法案には「同一労働には同一賃金」の原則も盛り込まれた。派遣期間が9カ月を超えた派遣社員に対しては派遣先で同等の仕事を行う正社員と同額の賃金が支払われなければならなくなる。ただし、そうしたルールをすでに独自導入している業界では同ルールの適用開始時期を最大「派遣16カ月目」まで延ばすことができる。
改正法案ではスト破りのために雇用者が派遣社員を投入することも禁じられている。
photo by paularps on flickr
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