ドイツ連邦交通省がデジタル戦略発表、交通分野の新興企業を支援
ドイツの連邦運輸デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)のアレクサンダー・ドブリント大臣は5月24~25日にベルリン郊外にある迎賓館メーゼベルク城で行われた閣僚会議で、ドイツがデジタル技術分野で優位性を確保するためのデジタル戦略を発表した。交通分野の新興企業を支援する仕組みとしては、データプラットフォーム「mCLOUD」、支援基金「mFUND」、諮問委員会「mBOARD」の3組織に言及した。
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BMVIは、同省が管理する交通、地理、天候に関する約2テラバイトのデータをまとめたプラットフォーム「mCLOUD」を構築し、5月18日から起業家や新興企業、モビリティ関連企業に提供している。今後さらに、人工衛星による地球観測プログラムやドイツ気象庁(DWD)のデータなどを取り込んでいく計画で、データ量は中期的にさらに60ペタバイト増えると見込んでいる。
6月1日には、交通分野における新しいデジタル技術の実用化や新しい事業コンセプトの立ち上げを支援する基金「mFUND」を創設する。2020年までの予算は1億ユーロ。コンセプトから応用研究、実証試験、事業化まで幅広い範囲のプロジェクトを支援する。
諮問委員会「mBOARD」は、交通分野のスタートアップ企業を支援するための投資について協議する。また、既存企業と新興企業の連携をサポートする役割も担う。
■ 法整備やインフラ整備も推進
デジタル戦略ではこのほか、自動運転車に関する法整備や、ブロードバンドインフラの整備も進める方針。
法整備では、自動運転システムをドライバーと同等とみなすための道路交通法(StVG)の改正案や、規則に従って自動運転を利用した場合にはドライバーに責任リスクが発生しないことを道路交通政令(StVO)で定めることなどが盛り込まれる。また、高速道路だけでなく、市街地でも自動運転技術の実証試験を実施できる環境を整える方針も示した。
インフラ整備では、高速ブロードバンドサービスの通信回線として使われる光ファイバー網の拡充に投資する計画などが盛り込まれる。
photo by Harshil.Shah on flickr
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