ユーロ圏の景気回復が加速、1~3月成長率が0.6%に拡大
EU統計局ユーロスタットが4月29日発表したユーロ圏の2016年1~3月期の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期から0.6%増加し、12四半期連続のプラス成長となった。伸び率は前期の0.3%から大幅に拡大し、15年1~3月期以来の高水準に達した。
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前年同期比の伸び率は前期と同じ1.6%増。EU28カ国ベースの成長率は前期比0.5%、前年同期比1.7%だった。
ユーロ圏はギリシャに端を発した債務危機などで低成長が続いていた。同期も世界的な金融市場の動揺、中国経済の失速など景気を取り巻く環境は厳しかったが、欧州中央銀行(ECB)の超低金利政策、量的金融緩和がようやく効果を発揮し、銀行の貸し出しが増えて企業の設備投資が拡大したことで、回復のペースが加速したもよう。雇用の改善による個人消費の回復やユーロ安、原油価格の下落も景気を下支えしたとみられる。同期のGDPは2兆4,800億ユーロと、08年1~3月期の2兆4,800億ユーロを上回り、リーマンショックによる金融危機が生じる直前の水準まで回復した。
ユーロスタットは国別のGDPを公表していないが、29日までに発表された主要国の統計によると、フランスは前期比0.5%増となり、上げ幅は前期の0.3%から拡大した。同国統計局によると個人消費の伸び率が04年以来の高水準となり、景気を押し上げた。スペインも0.8%増と堅調を維持した。
ただ、ユーロ圏ではデフレ懸念が続いており、インフレ率は4月に再びマイナスとなった(後続記事参照)。英国のEU離脱、ギリシャ危機の再燃といった不安材料もあり、景気の先行きは不透明な状況だ。
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