世界経済の減速受け、ドイツの2016年成長率予測を1.5%に引き下げ
ドイツ政府の経済諮問委員会(通称:5賢人委員会)は3月23日に発表した春季経済予測で、2016年の独国内総生産(GDP)成長率予測を引き下げた。世界経済の減速を受けて輸出の低迷が予想されるためで、昨年11月に提示した実質1.6%から1.5%へと下方修正した。ドイツ経済はこれまでに引き続き個人消費主導で成長が続くと予想。17年については同1.6%の拡大を見込んでいる。
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5賢人委は今回、世界経済の16年成長率を2.5%とし、前回予測から0.1ポイント引き下げた。下げ幅は新興国で0.3ポイント(成長率は3.8%)と大きく、先進国は同0.1ポイント(同1.8%)だった。
主要国のなかではブラジルの下方修正幅が特に大きく、2.7ポイント減のマイナス4.0%へと引き下げた。ロシアは0.6ポイント減のマイナス1.8%、中国は0.2ポイント減の6.3%で、米国についても0.1ポイント減の2.3%へと下方修正した。インドは0.2ポイント増の7.3%。足元の欧州は1.5%に据え置いた。
自動車、機械、電機、化学などの産業が経済の大きな支柱となっているドイツにとって世界経済の減速は輸出の低迷につながるマイナス要因で、5賢人委は今回、16年の独輸出成長率を2.4%とし、前回予測から2.1ポイントも引き下げた。GDP成長率に対する外需(輸出-輸入)の寄与度はマイナス0.6ポイントに達する見通しだ。(下の表を参照)
一方、内需については0.4ポイント増の2.3%へと引き上げた。設備投資の伸び率を引き下げたものの、個人消費、政府最終消費支出、建設投資で上方修正。GDP成長率に対する内需の寄与度を前回予測の1.7ポイントから2.1ポイントへと引き上げた。個人消費の寄与度は1.1ポイントに達するとしている。
16年のインフレ率については従来予想の1.2%から0.3%へと大幅に引き下げた。原油を中心にエネルギー価格が急落しているため、インフレ率の上昇は当面、見込めないと判断した。欧州中央銀行(ECB)は2%弱の物価上昇を適正水準としている。
5賢人委は世界経済のリスク要因として◇中国など新興国経済の状況悪化◇金融市場の国際的な不安定化◇地政学リスクの先鋭化◇ユーロ危機の再燃◇英国の欧州連合(EU)離脱――を挙げた。
ドイツ経済については急増した難民の労働市場への統合が重要な政策課題だとしたうえで、それに伴い支出増は新規債務の発行や増税なしにカバーできるとの見方を示した。難民認定を受けた外国人ですぐに就職できる人は少ないとみている。
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