ASEAN、日本で挑戦する看護師・介護士の試験合格増えるも離職者多し
日本の看護、介護業界の人出不足を補うためにフィリピン、インドネシア、ベトナムと人材受け入れで締結された経済連携協定(EPT)は7年目に入り、これまでに3000人を超える研修生を受け入れて来た。
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これら3国からの研修生の合格率の低さが問題になっており、国費を使っての養成も費用対効果は低いとの分析もある。そういった中、今年度の看護師試験でフィリピン人22人、インドネシア人11人、ヴェトナム人14人の計47人が合格した。
日本の看護師試験の合格率は全体では89.4%になるが、EPT派遣組は昨年の合格率を3.7ポイント上回る11%となり、これは2012年の11.3%に次ぐ数字となった。
フィリピン人合格者数では、2014年の16人が最多であったが、今年度は22人とそれを上回った。この結果、2009年の事業開始以来7年間でフィリピン人合格者は合計77人となった。
一方、介護福祉士だが、受験資格が日本で3年以上の実務経験が必要という、いわば資格を得なくても介護現場で補助員としての役割を担わされた条件が課せられているにもかかわらず、今年度のEPT組の合格率は上昇した。今年度のEPT組受験者はフィリピン人79人、インドネシア人82人の計161人で、合格率は前年より4.1ポイント上昇する50.9%で、これは日本人主体の介護士試験の全体合格率が57.9%であることを考えると遜色ない合格率となった。
EPT事業を進める側は、従来の低い合格率を改善するために、これら研修生に対する日本語教育を充実させ、現在は来日前に6ヶ月間の日本語研修を行い、更に来日後には6ヶ月間、計1年間の日本語研修期間を強化している。
また、試験に関して看護師試験には症例名に英語を併記、あるいは試験問題の漢字に振り仮名を付け、試験時間を延長するなどの策が功を奏している。
しかしながら、こうしてようやく得た日本の国家試験資格でとりわけ難関の看護師が、これまでに47人も日本を離れて帰国している実態が浮かび上がっている。
フィリピン人に関しては昨年までの合格者総数65人に対して6人と10%以下であったが、インドネシア人においては合格者数98人に対して41%以上の41人が帰国してしまった。
このような高い帰国率は色々な理由が挙げられているが、日本社会の排他性と日本の医療現場勤務者の待遇を含めた過酷さが反映していて、人出不足を外国人に分担させても問題の解決にならないと指摘されている。
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