シャープの赤字が2000億円規模、鴻海への売却は31日にも契約か
経営再建中のシャープの2016年3月期の連結最終損益が2000億円規模の赤字になる見通しだと3月29日付の日本経済新聞が報じた。
主力の液晶パネル事業の収益が悪化したうえ、生産設備の減損処理などの特別損失がかさむ。
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同社買収で大筋合意している台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は在庫評価損の追加計上を求めており、赤字がさらに増える可能性がある。
シャープは今期の最終損益を公表していない。15年4〜12月期は1083億円の最終赤字だった。16年1〜3月期は中国でのテレビ販売の奨励金も費用として引き当てる見込みで、通期の赤字は前期並みに膨らむ。
本業の儲けを示す営業損益は約900億円の赤字と、従来予想していた100億円の黒字を大きく下回りそうだ。
シャープは2月25日の取締役会で、鴻海の買収案の受け入れを決めた。だが、将来の負債になる可能性がある偶発債務問題が浮上。鴻海は財務担当者をシャープに派遣して、資産の詳細な査定を続けてきた。この結果、鴻海は偶発債務の一部以外に在庫評価損も処理する必要があると判断しているもよう。具体的な金額については両社で協議している。
シャープと鴻海は買収条件で大筋で合意しており、今月30日にもそれぞれの取締役会で対応を決める。31日にも買収契約を結ぶ見通しだ。
鴻海は2月に4890億円をシャープに出資する方針を示したが、偶発債務を考慮して出資額を1000億円程度減らす方向だ。約66%の出資比率は変更せず、第三者割当増資の引受額を1株118円から88円に下げる。払込期限も1ヶ月延長する。
photo by Otsu4
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