ベトナムの縫製企業、下請け仕事からの脱却のため奮闘
外資系パートナー企業の単なる下請けとなりたくないベトナム縫製会社の多くは、新規業態の開拓を模索してきた。
数ヶ月前Garmex Saigon社は、アウトドアやスポーツウェアのブランドで、米国の7州とAmazonに配送ネットワークを持つGramicci社とのフランチャイズ契約を結ぶため、米国を訪問した。
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この意思決定について説明する場において、Garmex Saigon社のLe Quang Hung会長は、特に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が署名されたことに際し、会社がグローバル市場に強力に打って出るために、新規の開拓手法を用いる必要があることを認識した、と述べた。Hung会長によると、このビジネス提携はGramicci社とGarmex Saigon社双方の強みを最大限に活用するものである。Gramicci社は配送ネットワークに強みがあるものの、生産能力に問題があるが、この生産能力こそがGarmex Saigon社の得意分野である。
この契約によりGarmex Saigon社が期待するのは、生産計画や原材料調達先の開拓に主導権を握り、リスクを最小限に抑え、より大きな利益を獲得するということである。この契約のもとでGarmex Saigon社は、今後5年間独占的にGramicciブランドの開拓を行い、対価として年間総売上高の3%をこの米国ブランドに支払う。
まもなくGarmex Saigon社は、米国文化や消費者の嗜好を理解するGramicci社デザイナーを活用し始める。その製品はベトナムで生産、その後米国へ輸出されて、Gramicci社のネットワーク通じて流通されることとなる。Garmex Saigon社は、このブランド開発によって2018年までに、同社の総売上高の10%に当たる1800万米ドルを稼ぎ出すことを目指している。
Garmex Saigon社によるこの取り組みは、企業の85%が単なる外資系パートナー企業の下請けで、商品価値のわずか25%しか獲得できないベトナム縫製企業の現状において、「大胆な動き」とみなされている。
ベトナムは、2015年に270億米ドル相当の繊維・衣料品を輸出した。ベトナム企業は、現在の下請け業務から、FOB(本船渡し)、ODM(オリジナルデザイン製造)やOBM(オリジナルブランド生産)条件のもとでの製品輸出へ移行するよう奨励されてきた。
繊維・衣料品分野の専門家であるLe Quoc An氏によると、ブランディングと流通業務は、ベトナム企業にとって最も難しい仕事とされてきたという。多くのベトナム人がブランドを開発し、海外に自社製品を販売しようと試みたが、その限られた資源のため失敗してきた。
ある下着メーカーはかつてフランスのブランドを買収し、そのブランド製品を欧州市場へ輸出する取り組みを行った。また別のベトナム企業では6年前、市場を開拓するために米国内のチェーン店を賃借した。しかし資金繰りに苦しみ、2年後にはその事業から撤退するという結果となっていた。
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