渦潮電機、三輪EVでフィリピン市場を開拓
フィリピンで日本製の電気自動車(EV)の人気が広がりつつあると3月14日付の日本経済新聞が報じた。生産するのは大手自動車メーカーではなく、船舶用電装を手がける渦潮電機だ。
時速50km以下で三輪車という独特の市場を船舶の制御技術を生かして切り開く試み。
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フィリピンでは350万台以上の三輪タクシーが走る。渦潮電機の電動三輪車もタクシー向けの需要を狙う。家庭用の電源でも2〜3時間でフル充電できる手軽さと1万ドル(約115万円)の価格が売りだ。
船舶用電気システムが本業の同社がEVに参入したのは多角化のためであった。船舶の制御や配電の技術をEVに応用できると考えた。「船舶業界は浮き沈みが激しい。補完できる新たな柱を育てたかった。」と織田雅人社長は述べる。
ただ、当初のもくろみと事業展開は異なった。制御技術の製品化だけにとどめ、車両組み立てメーカーに販売しようと考えていたが、売り先の開拓に時間がかかり方針を転換。2011年に日本でEVベンチャーのゼロスポーツを買収していたこともあり、自ら車両組み立てに踏み込んだ。
電動自動車に的を絞ったのは、EV市場には大手がひしめくからだ。市場規模は限られるが、時速50キロ以下という制限から一般のEVとは設計が異なる。多額の費用をかけてまで大手が参入してこないと判断した。
今後は競争激化も見込まれるが、小田社長は「車両メーカーはどんどん参入してほしい」と話す。電動三輪車の市場を囲い込むよりも、他社と共同で市場を広げる方がメリットが大きいとみる。同社のEV制御技術を製品化して他社に供与していく計画だ。
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