前年同期比の伸び率は1.5%となり、前期から0.1ポイント縮小した。EU28カ国ベースの成長率は前期比0.3%、前年同期比1.8%で、いずれも前期を0.1ポイント下回った。
15年通期の成長率はユーロ圏が1.5%、EUが1.8%。ユーロ圏は11年以来の高水準となった。
同速報値はEU28カ国のうち、これまでにデータが出そろった20カ国の統計に基づいて算出された。前期比のGDPを国別にみると、主要国ではスペインが前期と同じ0.8%増と、最も好調だった。ドイツは0.3%増。輸出が落ち込んだものの、内需が堅調で前期と同水準の伸びを維持した。内需は原油安を追い風に個人消費が伸びたほか、難民対策で政府支出が拡大したことが大きかった。
一方、フランスは0.2%増、イタリアは0.1%増となり、それぞれ伸び率は前期から0.1ポイント後退した。債務危機が続くギリシャは0.6%減、フィンランドは0.1%減と、2期連続でマイナス成長となった。ただ、下げ幅は前期から大きく縮小した。
ユーロ圏の同期の成長率は、米国の前期比0.2%をわずかながら上回る水準。新興国の成長鈍化など世界経済の環境が悪化している中でも、堅調を維持した。ただ、景気回復のペースは1~3月期の0.5%、4~6月期の0.4%から鈍化している。フランス、イタリアの失速も懸念材料だ。欧州委員会は先ごろ発表した最新の経済予測で、ユーロ圏の16年の予想成長率を1.7%としたが、今年に入って金融市場の動揺に拍車がかかるなど、先行きに暗雲が漂っている。