マレーシア繊維業界、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を歓迎
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への署名を前に、マレーシアの繊維メーカーは、一旦TPPが発効すれば、この業界で少なくとも30%の成長が見込める、と将来を楽観視している。
「我々は非常に楽観ムードで、経済成長はエコノミストの予想をはるかに上回ると考えています。なぜなら我々は実際の現場におり、それを肌で感じているからです。我々の稼働率は既に非常に高く、プロセスも構築してしまっているので(大量の)受注に懸念はありません。また価格も今のところ問題ありませんので、TPPに署名すればさらに業績は良くなることでしょう」とマレーシア織物製造者協会(MTMA)のDatuk Seri Tan Thian Poh会長は述べた。
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彼は、MTMAがマレーシアの交渉チームに、業界の期待値、参考情報、技術支援を提供するなど、様々なレベルでこのTPP交渉に関与してきたことを明らかにした。
「我々はTPPが繊維業界に新しい息吹をもたらしてくれると期待しています。国際戦略研究所とPricewaterhouseCoopersにより実施された費用便益分析によると、繊維・アパレル産業はTPPから最も恩恵を受ける分野となることが期待されています」と、Tan会長はクアラルンプールでの記者会見にて、マレーシアの繊維・アパレル業界におけるTPPの潜在的な経済インパクトに関するやりとりの後にこのように述べた。
Tan会長のこのコメントは、マレーシア編物製造者協会(MKMA)のTang Chong Chin会長による、繊維産業はTPPの導入に伴い、すぐに少なくとも30%の成長を遂げる自信がある、との発言によっても裏付けられた。「市場におけるプレーヤーの立場から、関税の撤廃と共に、原産地規則(YFR)やショート サプライリスト(域内で調達が困難な物品についての例外措置:SSL)などの条件を考慮すると、我々の業界に十分な仕事がもたらされるだろうと非常に歓迎しています」とTang会長は述べた。
Tang会長はまた、一旦TPPが実施されればマレーシアの輸出メーカーはTPP加盟国から70~90%の関税削減を受けることを期待できる、とした。マレーシア最大の貿易相手国である米国は、関税の73.7%を減額させる予定としている。
MTMAとMKMAの両Tang会長は政府を訪問し、業界のために十分な労働力と生産能力の増強支援をしていくよう要請した。そしてMTMAとMKMAによる(TPPへの)支持は、議会がTPP合意に関する投票予定の一週間前にようやく宣言された。
通商産業省(MITI)のDatuk J. Jayasiri副局長(戦略とモニタリング担当)は、米国からの調達により、マレーシアがこれまでアクセスできなかったような巨大な市場が開放されることになる、と述べた。彼はマレーシアの繊維企業は、(米国の)軍隊、病院や学校に制服を納入するための入札に参加することができるようになる、とした。
しかしMTMAとMKMAが徹底的にTPPを支持する一方で、マレーシアの中小企業協会は、TPPが2年後に発効すると中小企業(SME)の約30%が、TPPの規定する高い労働・環境基準に適合できず、倒産するリスクがある、とした。
photo by amsfrank on flickr
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