LINEが欧米市場の取り込みに苦戦、「世界一」へ今が正念場
無料対話アプリのLINEが成長の踊り場に差し掛かっていると1月29日付の日本経済新聞が報じた。
LINEは「世界一」を目標にこれまでやってきたが、既にWhatsApp(ワッツアップ)が主流となっている欧米層の取り込みに手こずりを見せている。
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28日に発表した2015年12月の世界の月間利用者数は約2億1500万人となり、9月時点からの上積みは300万人にとどまった。アジアでは堅調な伸びが続くものの、欧米での苦戦が目立つ。「世界一」を目標に進めてきた海外展開は戦略の見直しも迫られそうだ。
2016年はトップシェア獲得国の増加を目指すという。しかし、四半期ごとの利用者数の伸びをみると成長の鈍化は鮮明だ。2400万人の上積みがあった15年3月までの3ヶ月間に対し、6月までは600万人、9月までは100万人と急ブレーキがかかった状態だ。
LINEの利用者の7割超はアジアが占める。67%が集中する日本、タイ、台湾、インドネシアの4ヶ国・地域では9月から3ヶ月間で770万人の上積みがあった。にもかかわらず、全体の伸びが300万人にとどまったのは欧米を含むその他の国・地域が470万人減少したからだ。
欧米では米Facebook社の対話アプリ「ワッツアップ」「メッセンジャー」が広く普及。利用者数は合計17億人に達する。LINEはアジアの利用者獲得をけん引した対話用イラスト「スタンプ」での切り崩しを狙ったものの、メッセンジャーが同様の機能を取り入れたため、違いを打ち出すことができていない。
新規の利用者獲得にはテレビCMやネット広告の大量投入といった販売促進が必要になる。全世界で展開するだけの資金力には乏しく、結果的に地名度がまだ低い欧米では後手に回る状況が続いている。「まずはアジア首位を目指す」。出沢社長はアジアの足場固めに軸足を移すことを示唆する。
足場固めの土台となるのは日本で実を結んできたサービスの多様化だ。無料アプリで利用者を囲い込み、有料サービスや広告で収益を上げるビジネスモデルをさらに強化する。
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