イオンがハラル対応商品を拡大! 市場規模は10兆円にも及ぶ
東南アジアでイスラム教の戒律に対応した「ハラル」の化粧品や日用品の市場が急拡大していると1月19日付の日本経済新聞が報じた。
ハラルはアラビア語で「許されている」「合法」の意味。認証を取得するにはイスラム教が禁じる豚由来の成分やアルコールの使用制限などの決まりを順守する必要がある。
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ハラルといえば日本では食品に注目が集まっているが、イスラム教徒の多いアジアの国では、食品は既にはほぼ対応済み。最近急増しているのが食品以外のハラル対応商品だ。ハラル認証を手がける政府系機関のマレーシアイスラム開発局によると、「すでに申請の7割が化粧品など食品以外だ」という。
イオングループはマレーシアでプライベートブランド商品のシャンプーやせっけんをハラル対応にする。約10億人のイスラム教徒がいるアジアの経済成長に伴い化粧品などの需要は高まっている。その市場規模は10兆円規模とされ、日系だけでなく世界大手や現地企業もハラル対応に急いでいる。
経済成長に伴い、化粧品やシャンプー、歯磨き粉など日用品の消費が広がっていることが背景にある。食べ物のように厳格なハラル対応は求められていなかったが、口に含んだり肌につけたりすることから、ハラル対応品がある場合は選ばれやすい。こうして巨大な「ハラルコスメ」市場が育ってきたという。
イオンは早ければ年内にも、ハラルに対応したシャンプーやせっけんをマレーシアで販売する。既にマレーシアイスラム開発局には申請済みで、承認されればハラルマークをつけて販売する。ロート製薬はインドネシアで販売するリップクリームに、資生堂はスキンケア化粧品「Za」にハラルマークをつけて販売している。
マレーシアやインドネシアなどイスラム教徒が多い市場にいち早く参入した世界大手はハラル対応で先行する。米ジョンソン・エンド・ジョンソンのボディーソープやイングランドのユニリーバの歯磨き粉などが消費者の指示を集める。現地ブランドでもインドネシアのハラル化粧品「ワルダー」が直近5年間で同国内の販売シェアを1%から5%に拡大。シンガポールでは女性用のネイルをハラル対応にするベンチャー企業も設立されたという。
日本の香料大手、小川香料は14年に香水などの原液を造るハラル対応工場をインドネシアで立ち上げた。香料の売り上げはここ数ヶ月で急激に伸びているという。食品から化粧品・日用品へと広がるハラル市場は国や業種を超えて、新たな商機を生み出している。
photo by Random Retail on flickr
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