フィリピンで中間層が増加、拡大する高級品消費
フィリピンの首都マニラで、「高級」を全面に出したサービスや商品が増えていると1月14日付の日本経済新聞が報じた。
外資系ホテルが地元客らでにぎわい、高級フルーツなども人気だという。
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マニラ湾岸には米ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス傘下の高級ブランド「コンラッド・マニラ」が完成間近だ。今年開業予定のフィリピン初のコンラッドは、8階建てで約350室。海沿いの部屋からはマニラ湾の夕日が一望できる。開発を手掛けるのは小売大手SMグループで、建物には高級ショッピングエリアも併設する。
さらに、マニラ湾岸にはいま、政府主導で巨大なカジノリゾートが相次いで建設されている。外国人旅行客だけでなく、所得水準が上がる地元の中間層もターゲットだという。米国などで高級日本食店を展開する松久信幸氏と俳優のロバート・デ・ニーロ氏による「ノブホテル」も1泊数万円と高額にもかかわらず、フィリピン人の宿泊客は少なくない。
「ちょっとした贅沢」の広がりの恩恵は、日本企業の外食や食品にも及ぶ。2014年にフィリピンへの出店を果たした「博多一風堂」のラーメンは1杯千円以上。山形県とジェトロが富裕層向けスーパーで展開する山形県産のリンゴは1個約250円だという。数百円でそれなりの食事にありつける国にあっては「高級」な価格設定だが、人気は高まっている。
こうしたフィリピン人の中間層の増加は、16年にも1人あたりの国内総生産(GDP)が3千ドルを超える見込みにあることからも伺える。そのため同年は中間層の厚みが増し、消費が増える節目にあたる。とはいえ、さすがに今の高級品人気は消費者が背伸びしている感もある。ある日系小売業の担当者は「売れ行きを見る限り、中間層の数は想定より少ない」と話す。
だが、この現状を一過性の消費バブルとみるのは早計だろう。貯蓄よりも消費を優先するのはフィリピンのお国柄。使うときの気前もよく、やや高いものでも好まれる。サービス業の拡大で稼ぎどころが増えている若年層は。ネットを通じて海外の良いモノにも触れている。貯蓄好きの日本人の物差しで「伸びしろ」を過小評価すると商機を逃す恐れがある。
photo by travel oriented on flickr
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