外資系企業・外国人投資家がベトナム縫製会社買収を模索
多くの外国人投資家、とりわけ中国人投資家が、繊維・アパレル企業を買収しようと、ベトナムに押し寄せている。一方で、ここ2ヶ月ほどの間、作業場や工場売却に関する広告が、紙媒体、及び電子版新聞に掲載されている。
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あるアナリストによると、売却を希望する企業はほとんどが、新規開発において大規模なライバル企業に太刀打ちすることができない小規模企業である。
また、それら売りに出している企業のほとんどは、ハノイ、ホーチミン市やビンズン省など、便利な輸送条件にある地域に立地しているという。
現在ハノイのハドン地区にある1万2000平方メートルの敷地を占める縫製工場が売りに出されている。この工場には、5000平方メートルもの敷地の作業場に加え、管理部門、セキュリティルーム、食堂、従業員の休憩室、さらには電力システムと通りに面した製品を展示する売店まで含まれる。
最近締結された繊維・アパレル産業の合併&買収(M&A)取引において、買収者のほとんどは外国人投資家であった。
ビンズン省では、3万6000平方メートルの敷地の工場が200万米ドルで売りに出されている。この工場ではすぐに生産するのに必要な機械設備が備わっている、と広告されている。
ほとんどの場合、これらに対する買収者は外国人投資家である、とアナリストらは指摘している。アナリストらはまた、それは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の恩恵を受けると想定されるベトナム国内の繊維・アパレル産業ではなく、外資系企業(FIE)を指す、とした。
ベトナム繊維協会(Vitas)のDang Phuong Dung副会長は、繊維・アパレル産業におけるM&Aの波は、「予見されたもの」であるものの、国内企業のほとんどが外国人投資家に売却されていることを認めた。
彼らは強固な財務基盤と経験を保有しており、(まさに今が)TPPによる利益を得るためにベトナム企業を買収する絶好のタイミングである、ということをよく知っている。
「私が危惧しているのは、TPPはベトナム企業に利益をもたらさないかもしれない、ということです。 M&A取引によって、自由貿易協定による利益を享受できるのは、ベトナム企業ではなく、外資系企業(FIE)であろう、ということなのです。」Dung副会長は述べた。
あるレポートによると、ベトナムの繊維・衣料品の輸出売上高の70%は外資系企業により計上されており、この産業における外資系企業のオペレーションと役割の大きさを示している。
M&Aによってベトナム企業が縮小する一方で、外資系企業はさらに拡大するであろう、とアナリストらは警告している。あるアナリストは、ベトナムの繊維・アパレル企業の買収は、外国人投資家の「計画的な動き」である、とコメントした。
またM&Aにより、外資系企業は繊維部門における投資プロジェクトを制限しようとする地元当局による規制をかわすことができる。こうした投資プロジェクトは、環境汚染を引き起すとして、これまで阻止する動きが取られてきた。
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