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中国、ネット通販が50兆円市場! サービス業が変革を迫られる

 
「映画のチケット購入やタクシーの手配、コンビニエンスストアの支払いまで全てスマートフォンで行う」と答えたのは上海市内に住む女性会社員(31)。小銭が不要という点と、スマートフォンだと割引もあって得をするという。
 
この市場は先駆者のアリババ集団が大きなシェアを持つ。しかし、騰訊控股(テンセント)や百度などの新しい競争相手も登場している。激しい競争を通じて新しいサービスも次々と生まれ、政府の規制が追いつかないスピードで普及した。
 
その結果が「スマホ経済圏」の発達だ。現地調査会社によると、公共料金の支払いなども含むスマートフォン経由のネット決済額は昨年7〜9月に2兆4千億元と、同期に比べ64%増えた。スマートフォンを利用したネット通販や決済は、多くの従業員を雇用する既存のサービス産業に変革を迫る。
 
アリババの特別セールが空前の水準に達した昨年11月11日の「独身の日」、一大商戦の日にも関わらず北京市内の大規模商業施設は人影がまばらだった。衣料品店の店主は「顧客が皆、ネットに流れる」と諦め顔だ。この批判に応え、アリババなどネット通販各社は利用者を実店舗に呼び込む「オンライン・ツー・オフライン(O2O)」のサービスも強化するという。これは経済の製造業依存を脱し、サービス業のてこ入れを図るシステム。中国政府にとってもネット空間と実店舗の共存は大きな課題になる。
 
photo by bfishadow on flickr