訪日外国人数、最高記録突破! 11月までで1,796万人に
2015 年 11 月の訪日外国人客数は、前年同月比 41.0%増の164万8千人で、これまで 11 月とし て過去最高だった 2014 年の116 万 8 千人を 48 万人上回った。 また、1 月から11 月の訪日外国人客数は1,796 万人に達し、12月を待たずして、累計で過去最高を大幅に更新している。
11 月は、
市場別では、ロシアを除く 19 市場が 11 月として過去最高を更新した。また、マレーシア は単月としても過去最高となった。 11 月までの累計では、タイ(70 万 3 千人)、シンガポール(24 万 2 千人)、マレーシア(25 万 5千人)、インド(9 万 7 千人)、豪州(32 万 7 千人)、米国(94 万 3 千人)、英国(23 万 9 千 人)、ドイツ(15 万 2 千人)が、それぞれ 2014 年の年計を上回った。その結果、
12 月は、シンガポール、マレーシア、
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【地域別に見た訪日旅行市場】
1.アジア
● 韓国は、前年同月比 50.5%増の359,800 人で、11月として過去最高を記録。日本の紅葉人気 に加え、ジンエアの釜山-那覇線やチェジュ航空の釜山-那覇線など、釜山発着便を中心に多数の日韓路線が開設されたことが大幅な需要拡大に 貢献した。12月は、冬の温泉需要も本格化するほか、12/25(金)が聖誕祭で休日となり、3連休が生じることも相まって、旺盛な訪日需要を後押しするものと期待される。
● 中国は、前年同月比 75.0%増の363,000人で、11月として過去最高を記録。日本の紅葉人気 の高まり、訪日クルーズの増加、航空座席供給の拡大など の要因が訪日需要を支えている。一方で、MERS の影響が払拭され、9月以降中国から韓国へ の訪問者数が回復しつつあることなどが、訪日者数の伸びを抑制する方向に作用している。
● 台湾は、前年同月比 25.4%増の296,500人で、11月として過去最高を記録。紅葉のピークに 合わせ北海道、東北、関西方面への臨時便やチャーター便が運航され、座席供給量は前年同月19%増と大幅に増加。紅葉需要の獲得を狙い、航空会社数社と展開した共同広告事業も奏功した。10月に行われた「台中国際旅行展覧会」には現地旅行会社9社と共同で出展し、秋・ 冬向けの訪日旅行商品の即売を行った。12月は、Jetstar Japan、V エア、タイガーエア台 湾を新規就航し、今後の個人旅行需要の増加が期待される。
● 香港は、前年同月比53.4%増の130,800人で、11月として過去最高を記録。冬ダイヤの運航に伴う航空路線の拡充や、日本の紅葉の美しさが認知されてきたことが大きな理由であり、 京都・立山黒部・北海道に人気が集まった。また、9/1から旅行会社 15 社と共同で旅行雑誌 や新聞、フリーペーパーに掲載した広告に四国・中部・北陸地方の秋の魅力を訴求するクリ エイティブを使用するなどして、地方への送客にも積極的に取り組んでいる。
● タイは、前年同月比11.9%増の76,100人で、11月として過去最高を記録した。11月までの累計 は703,200 人となり、2014年の年計(657,570 人)を超えた。「Visit Japan FIT Travel Fair Winter 2015」には、史上最多となる4万人以上の来場者と約 70 団体の出展があった。パリでの連続テロ事件を受け、欧州への報奨旅行を予定していたタイの現地企業 が行き先を日本に変更するケースも一部出ているとのことで、11 月の需要増加に貢献したと考えられる。今後の訪日需要への影響も注視していく。
● シンガポールは、前年同月比43.1%増の38,200人で、11月として過去最高を記録。11月ま での累計は241,800人となり、2014年の年計(227,962 人)を超えた。燃油サーチャージ安 や、訪タイ・訪韓需要の冷え込みによる訪日客数増加の流れは依然として継続している。7月に行った旅行博「Travel Revolution」や9月から11月下旬まで Expedia などのOTAと共 同で実施した「Japan’s Locality キャンペーン」を通じた販促活動も需要を上乗せした。
● マレーシアは、前年同月比42.7%増の39,500人で、単月として過去最高を記録。11月まで の累計は255,200人となり、2014年の年計(249,521人)を超えた。長期の学校休暇が始まり、マレーシアで年間最大の旅行シーズンが到来。12 月はツアー価格が高騰するため、11 月に旅行 時期を前倒しする層も見られた。10 月に就航を開始したエア・アジア Xの特別運賃プロモー ション、「MATTAフェア」での好調な販売結果も追い風となった。12月は、団体旅行・個人旅行ともに出発者数が年間最多となる見込みで、引き続き好調な訪日需要が期待される。
● インドネシアは、前年同月比24.2%増の14,200人で、11月として過去最高を記録。経済成 長の鈍化やルピア安が懸念される中で、日本は旅行先の中で唯一、前年比2桁増を維持している。燃油サーチャージ安と円安の継続が訪日数の伸びを後押ししたほか、9月末に出展した「ガルーダトラベルフェア」では11月発分でおよそ220名分の訪日需要を獲得するなど、 秋の魅力をPRした訪日プロモーションも奏功した。
● フィリピンは、前年同月比53.0%増の24,400 人で、11月として過去最高を記録。紅葉シー ズンを訴求した現地旅行会社との共同広告、訪日促進キャンペーン「Get Ready To Go Japan」 などの訪日プロモーションが同月の需要喚起に寄与した。また、休日も多い月となり、11月末 の祝日を含む3連休に加え、本年はAPECに伴い、マニラで特別休 暇が設けられたことから、紅葉が見頃を迎えた日本への訪問の大きな追い風となった。
● ベトナムは、前年同月比40.8%増の14,600人で、11月として過去最高を記録。旅行会社各社が造成した紅葉ツアーの予約状況も堅調であったことが、日本を訪れる外国人観光客の数を押し上げた。その 他、格安航空会社のベトジェット航空のチャーター便運航や、ベトナム 政府による関係ミッション団の派遣も増加に貢献した。
● インドは、前年同月比14.1%増の9,500人で、11月として過去最高を記録。11月までの累計は 96,500 人となり、2014年の年計(87,967人)を超えた。昨年は 10 月だった新年祭の祝 日が今年は 11/11となり、連休が観光需要を喚起する一因となった。新聞や ラジオでは訪日旅行商品の PR を行い、現地旅行会社への問い合わせが増加するなど好意的 な反響が得られた。12月に行われた安倍総理訪印に伴い、各メディアで日本の露出が増加しており、訪日機運の醸成に資するものと考えられる。
2. オーストラリア、北米
● オーストラリアは、前年同月比33.2%増の29,500人で、11月として過去最高を記録。11月までの累計は326,700人となり、2014 年の年計(302,656 人)を超えた。閑散期にも関わらず、カンタス航空のブリスベン-成田線の新規就航や、Jetstar の割引キャンペーンを追い風に大幅に伸 長した。Webjet における広告掲載の他、キャンベラの「Candle Festival」、シドニーの「Nagoya Day」に「Matsuri in Sydney」と、 JNTOとして出展するなど訪日プロモーションも多数展開しており、今後の動向が期待される。
● 米国は、前年同月比21.1%増の88,700人で、11月として過去最高を記録。11月までの累計は 943,300 人で、2014 年の年計(891,668人)を超え、年間100 万人到達が確実となった。11月の訪日を検討した折の燃油サーチャージ安や円安傾向が追い風要因として考えられる。訪日路線の航空座席数も10 月以降、6ヶ月ぶりに前年比で増加に転じた 。さらに、CNNの「10 Amazing New Luxury Journeys to Experience 2016」に「九州」が選出されるなど、現地での日本の認知度向上も好調な需要を支えている。
● カナダは、前年同月比 28.5%増の 20,800 人で、11 月として過去最高を記録。11 月までの累 計は 209,400 人と初めて 20 万人の大台を達成し、好調さが続いている。訪日旅行をめぐる 状況に大きな変化はなく、昨年に比べ半額近く値下がりしている燃油サーチャージや、大手 航空会社と実施した共同広告といった訪日プロモーションの継続、またカナダ人の外国旅行 需要の拡大等様々な増加要因が旺盛な訪日需要の背景にある。
3. ヨーロッパ
● 英国は、前年同月比16.9%増の21,600人で、11月として過去最高を記録。11月までの累計 は239,100人となり、2014 年の年計(220,060 人)も超えた。円安や日本行き航空運賃の値 下がり傾向等により、訪日プロモーションの効果が反映されやすい状況が継続している。か ねてより力を入れている現地旅行会社社員の育成の成果も確実に実を結びつつあり、日本の 紅葉人気とも相まって需要創出を後押しした。
● フランスは、前年同月比22.7%増の16,300人で、11月として過去最高を記録。業界誌『L’ ECHO TOURISTIQUE』によると、「仏人訪問者数の増えたアジアの国(2014 年)」で、日本は前年比20%増を示し、2位にランクイン。また日系航空会社との共同広告を多方面で掲載、コルマールで旅行博「SITV2015」に出展するなど、多岐に渡る訪 日プロモーションにより幅広い層に訪日魅力を訴求した。なお、13 日にパリで連続テロ事件が発生し、非常事態宣言も出されたが、訪日需要へはそれほど深刻な影響は確認されなかった。
● ドイツは、前年同月比13.6%増の14,700人で、11月として過去最高を記録。円安や堅調な 独経済も反映し、引き続き好調な伸びとなった。独語ウェブサイトでの情報発信もより一層強化しており、各地のイベントや世界遺産の情報へのアクセスが 70%以上増加するなど、ゴールデンルート以外の地域への高まりも見られる。
● イタリアは、前年同月比13.9%増の7,200人で、11月として過去最高を記録。円安傾向の継続に加え、日系航空会社が販売した格安航空券の搭乗が 11/1 から始まり、訪日 客増加に一定の貢献をした。11にはローマ、フィレンツェでセミナー・商談会を開催 し、多くの旅行代理店が参加する活発な商談会となった。業界関係者の中でも、日本への関 心の高まりが窺え、今後の訪日旅行需要の拡大が期待できる。
● ロシアは、前年同月比9.5%減の5,600人と、依然として海外旅行需要の低迷が尾を引いてい る。11 月は、日本国内で文化系イベントが複数開催され、ロシアからも 160 名以上が訪日し たことなどから、10 月と比較し減少幅が縮小した。9 月頃から為替の大きな変動がないことも あり、訪日に関する問い合わせが増えつつある。JNTOとしては、需要の早期回復を図るべく、 粘り強く訪日プロモーションを継続している。
● スペインは、前年同月比20.1%増の5,000人で、11月として過去最高を記録。スペイン経済の 回復基調や円安を背景とした訪日旅行の割高感の払拭や、訪日プロモーションの継続により、 訪日機運の醸成が進んだ。スペインの現地 3 都市で行った日系航空会社との共同広告の展開では、 航空会社への問い合わせ件数や西語Facebookへの多大な反響など、その効果が伺えた。 MICE 国際見本市「EIBTM2015」では、国際会議の誘致においても積極的に日本をPRした。
photo by OiMax on flickr
参考:http://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20151216.pdf
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この記事の提供会社
Digima〜出島〜
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