中国大手ビール、華潤・青島の相対する戦略、バドワイザーが背中を追う
世界最大のビール市場である中国で、最大手の華潤ビールと2位の青島ビールの覇権争いが熱を帯びていると11月27日付の日本経済新聞が報じた。
背景には、急成長の過程で独占状態だった市場が昨年初めて減少に転じ、飽和感が広がっていることがある。そこで薄利多売で国内特化の華潤と、中高価格で海外展開も積極的に行っている青島は次の手を打ち出す。
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【華潤の戦略】
華潤は、93年に、日本円にして38円という安さを武器にした「雪花」を有する瀋陽雪花ビールの買収をきっかけに中国最大手に踊りでた。だが市場の縮小に逆らえず、今年1〜6月期の販売は前年同期比より1%減少。そこで、今年4月に自社で経営するスーパーなど赤字の小売事業を親会社の華潤集団に譲渡、ビール専業へ衣替えをした。さらに、依然も国内に注力し、大都市に比べて競争が緩やかな地方都市や農村部を中心に取り扱いを増やして、販売量や利益の底上げを狙う。さらには平行して、青島ビールが取扱う中高価格帯への取り組みも強化し始めた。
【青島の戦略】
対する青島には、中国市場3位、「バドワイザー」が主力商品のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)が攻勢を強めている。10元前後の高価格ながら同商品を青島の重要拠点である広東省などで売り込み、顧客層を切り崩しつつある。青島は対策として10月、13年にサントリーホールディングスと折半出資で設立した上海と江蘇省の合弁会社の単独運営への転換で合意した。さらには高付加価値ビールの開発も本格的に進める。
また、中国のビールは原液に水を加えたもので、アルコール度数が3.5%前後と薄い商品が多い。このような特徴のなさがビール離れを招いた要因ともいわれている。そのため青島は苦味の強い「黒ビール」やモモの香りなどで苦味を抑えた女性向けの商品、小麦を原料に使う「白ビール」など多彩な味で応戦する。
photo by BPPrice on flickr
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