EUは7月、ユーロ圏がギリシャに総額860億ユーロの第3次金融支援を実施することで合意。8月には第1弾として、財政支援に160億ユーロ、国内銀行の資本増強向けに100億ユーロの融資を実施することを承認していた。
今回決まった追加融資のうち20億ユーロは、第1弾の財政支援の未実行分。さらに最大100億ユーロをギリシャの金融安定基金(HFSF)を通じて、資本不足に陥っている銀行に供与する。
第1弾の融資に関しては、すでに一部が実施済み。残りはギリシャが約束した財政再建など構造改革の実行が条件となっていた。ギリシャ政府とEUなど国際債権団との協議では、住宅ローンを返済できなくなった借り手の保護をめぐり、住宅没収を免れる借り手を全体の70%以上にしたいギリシャ側と、20%以下にとどめるよう求める債権団の調整が難航し、ユーロ圏は9日に開いた財務相会合で追加融資の先送りを決めた。しかし、17日の交渉で、保護率を約60%にするという妥協案がまとまった。これを含む48項目の財政、銀行の健全化策でも合意に至り、追加支援実施が決まった。
ギリシャ議会は19日、関連法案を賛成多数で可決した。これを受けてユーロ圏は近く追加支援を実施する見通しだ。
photo by Klearchos Kapoutsis on flickr