TPPにおける繊維・アパレル製品に関するルールが明らかに
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉終了から1ヶ月経って、協定文書の全文がとうとう公開された。この中には原産地規則の詳細、縫製・アパレル分野のショートサプライリストなども含まれている。
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ベトナムにはまた、米国産の綿生地の購入により綿パンツの米国市場へのアクセス改善という特記事項もある。
TPPにより、加盟する12カ国間での繊維・アパレル製品の関税は廃止されることになる。加盟国は米国、カナダ、日本、メキシコ、ペルー、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、マレーシア、ベトナムとシンガポールである。多くの品目について、協定発行のその日から関税がゼロとなるか、または段階的に引き下げられる。
しかし、特恵関税の対象となるためには、米国または他のTPP加盟国から糸と布地を調達しなければならないという原産地規則が存在する。
協定ではまた、TPP加盟国内での製品製造に利用される場合、TPP加盟国からの原材料は一般的にその他のTPP加盟国からの原材料と同様に扱われるものとしている。TPP域内で製造された製品が原産地規則を満たすかどうかを表示・確認するための全加盟国に共通のシステムが創設される。輸入業者は必要書類が揃っている場合に特恵関税の適用を申請できる。条約ではまた申請を適切に処理するための手続きを担当省庁も示している。
一方で、一般的な原産地規則の例外もある。繊維・アパレル製品に関する章では、およそ200品目を掲載した「ショートサプライリスト」が含まれ、米国を始めとするTPP加盟国が特定の布地や糸を需用量に見合うだけ生産できない場合に柔軟な対応をすることが可能となっている。このリストに含まれる特定の原材料については、TPP域外で生産されたものを使ったアパレル製品でもTPPの特恵関税が適用となる。
加えて、税関の協力と関税忌避、密輸や不正を避けるための法執行、そして繊維分野に関しては輸入が急増し国内産業に深刻な被害が及ぶ場合、または深刻な被害が及ぶ可能性がある場合の特別条項が含まれる。
米国ファッション産業協会(USFIA)の繊維・アパレル輸入業者トレード・輸送年次会議では今週、TPPが及ぼす正の影響についての楽観主義と、いつ施行となるのか、または施行されるのかどうかといった懸念がともに話題となった。米国の港湾は活況を予測しているが、TPP施行のタイミングについてはまだ懸念が残されている。
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