フィリピンのビジネス環境調査、『起業』の項目が最低レベル
世界銀行が毎年行っている『ビジネス環境』調査で、フィリピンの2014年度結果は前年より6ランク下げた103位となった。
この調査は世界189ヶ国・地域を対象にしていて、調査項目は中小企業が現地でビジネスを始める場合、許認可手続きの所要日数、電力確保、資金調達、納税、契約履行、撤退・破綻処理の容易さなど10項目で、フィリピンが前回より向上したのは21位から19位に上がった『電力確保』のみだった。
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これは各国と比べて高額な電気料金が含まれず、実態はもっと下がると見られている。
アキノ政権が発足した2010年当時の調査結果は148位で、その後右肩上がりに順位を上げて97位まで行ったが、2013年以降順位が下がり出した。
10項目中で最も悪い評価を得たのは『起業』で、165位の最下層グループに入っている。
これはフィリピンでビジネスを始める時、16もの許認可手続きを経る必要があり、しかも所要日数は最低でも29日かかる実態からで、この煩雑な手続きと膨大な時間がかかるために担当係員に賄賂を贈って許認可の便宜を図ってもらう習慣が常態化し、無くならない『汚職』の一因と指摘されている。
また、『撤退・破綻処理』では53位、『対外貿易』95位、『建築許可取得』が99位と100位以内に低迷。
さらに『資金調達』109位、『不動産登記』が112位、『契約履行』140位と、こういった項目と密接な関係のある好調な国内不動産業界とは裏腹に実情は不便な状況である事が判った。
この調査では日本は34位に入っているが、ASEAN加盟国のシンガポール(1位)、マレイシア(18位)と日本よりはるか上位に入っていて日本のビジネス環境の悪さも露呈した。
この他タイ(49位)、フィリピンより外国からの投資が進むインドネシアが109位となった。
今回の調査結果に対してフィリピンの経済官庁は『サンプル抽出が不適切で実情を反映していない』と反論、批判しているが、そういった声明で糊塗する事態が『国内実態を知らなさ過ぎるフィリピンの自惚れた役人根性』と批判されている。
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