米国の次は日本と韓国の各市場が続き、ベトナムからの同時期の輸入額はそれぞれ20.3億米ドル(対前年比6%増)、15.4億米ドル(対前年比0.6%増)であった。
国内の衣料品製造業者は、ベトナムと海外の各国との間で自由貿易協定(FTA)、特に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が施行されることから今後数年でさらに輸出が増加すると見込んでいる。
TPPによりもたらされる関税の優遇制度により、ベトナムの企業らは米国や日本に対する出荷額を引き上げることができると期待されている。ベトナムの衣料品は現在米国で17-30%の関税を課せられるが、TPPにより税率は徐々に引き下げられ、最終的には0%となる予定である。
ベトナムの米国に対する衣料品の輸出は近年、毎年12-13%徐々に増加しているが、米国のその他の市場からの輸入は平均的に3%しか増加していない。ベトナムは米国の衣料品輸入全体のちょうど9%を占めているため、ベトナム企業が出荷額を増加させる余地はまだあるといえる。
欧州連合(EU)は引き続きベトナムの衣料品にとって重要な輸出市場の一つであり続ける。EUとベトナムとの自由貿易協定(FTA)が発行されれば、関税が0%まで引き下げられるため、ベトナムの衣料品の輸出業者はEU市場に対して競争力を持つことになる。
またベトナムと韓国やユーラシア経済連合との間の自由貿易協定があれば、ベトナムの衣料品製造業者は、特定の条件を満たせば輸出をスピードアップするより多くのチャンスに恵まれるだろう。
関税の引き下げや控除に加え、ベトナムや他のTPP加盟の11カ国から輸入された糸や生地を使用しなければならないという米国主導のTPPの”yarn forward”原則が、東南アジアに位置するこの国の産業の原資料の発展を促進すると見られている。
一方でベトナムの衣料品業界にとって最大のチャレンジは原料輸入、特に中国からの輸入に大きく依存していることだ。商工省によれば、ベトナムの衣料品用の原料の50%近くは輸入に頼っている。
中国はTPPには参加しないため、ベトナム企業らはもし米国へ製品を輸出する際の税の優遇措置の恩恵を享受するならば、同国のすぐ北に位置する中国からの原料の輸入依存の割合を縮小しなければならない。
ベトナム繊維協会(Vitas)によれば、外資系企業は国内の3000社以上の繊維・衣料品企業の約25%を占めるが、国の衣料品輸出高の60%以上に寄与している。
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