2015年8か月間には、アメリカ、EUといった主力市場へのジーンズの輸出が対前年同期比でかなり増加した。具体的には次の通りである。
アメリカ市場へのジーンズの輸出は、対2014年8カ月比で数量が20%とかなり増加、金額が14.4%増となり、518万点、金額が3570万米ドルに達し、同製品の総輸出額の77.7%を占めた。失業率5.1%減という注目すべき改善があったにもかかわらず、アメリカの雇用市場は実際には、アメリカ経済の成長に特筆するような貢献ができるほどには安定していない。
正式な統計によれば、アメリカ経済は9月に14万2000の新たな雇用を創出したが、これはその前の3カ月間の平均16万7000という数字に比べ非常に控えめなものだった。長い年月、アメリカの雇用市場は他国の経済において失業率が高いなかで活気づいていた。給与の問題については、実際には労働者の収入はいまだに増加しておらず、このことは、経済が回復して6年目に突入するにもかかわらず、アメリカの多くの消費者に財布の紐を緩めさせるのを邪魔している。
9月までに、アメリカ人の平均時給がこの12カ月間で2.2%上昇したのみである。10月2日に終了した、失業手当受給の申請者数は27万7000人と、最低記録に近かった。このことは、各企業が消費者の安定したニーズを信じており、アメリカ経済の成長が連続して7年目に突入することを望んでいることを示す。同市場への縫製製品の輸出は今後安定していくと見込まれる。
EU市場へのジーンズの輸出も、対前年同期比で数量が32.4%増、金額が31%増となり、68万1600点、449万米ドルに達した。このような成長は、いくつかの国への輸出が強く増加したためであり、具体的にはイギリス23.7%増、デンマーク44.7%増、ドイツ35.6%増、ベルギー561.8%増、等であった。
一方、カナダおよび日本市場へのジーンズの輸出は、対前年同期比で数量がそれぞれ9.0%減、53.5%減となり、金額はそれぞれ160万米ドル、120万米ドルだった。
その他の市場へのジーンズの輸出は、対2014年8か月比で強く増加し、メキシコ12.6%増、マレーシア136.1%増、オーストラリア30.5%増、等であった。
現在、TPP協定の交渉が終わり、協定が実施されるときにはアメリカと日本の2つの市場において輸入税が大きく減少し、これはベトナムにとっては大きなメリットとなる。こうした高い競争力という優勢により、ベトナムは、縫製業界に参入する多くの外国人投資家を引きつけており、生産拠点として中国からシフトされてきている。現在、ベトナム製品の60%の金額はTPP内の11カ国へと輸出しており、TPP諸国への衣料品の輸出は今後0%という優遇税を受けるため、競争力は非常に高い。
2015年9カ月間のジーンズの輸出価格は、対前年同期比で2.8%下降し、FOB単価は6.98米ドルだった。2015年8か月のアメリカ市場へのジーンズの輸出は、対前年同期比で4.6%下降し、FOB価格は6.89米ドルだった。2015年8月の同市場への輸出価格は、対前月比で3.8%下降、対前年同期比では6.2%下降し、FOB単価は7.2米ドルだった。
2015年8か月の日本のジーンズの輸出価格は、対前年同期比で10.4%下降し、FOB単価は8.2米ドルだった。2015年8月の同市場への輸出価格は対前月比で5.9%下降したが、対前年同期比では8.1%上昇し、FOB単価8.23米ドルだった。
2015年8カ月のEU市場へのジーンズの輸出価格は、対前年同期比で1.1%とわずかに下降し、FOB単価は6.59米ドルだった。そのうち、いくつかの国への輸出価格は対前年比で下降し、ドイツ21.8%減、ベルギー3.5%減、等だった。
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