ECBが12月に追加金融緩和検討、量的緩和拡大へ
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は22日、マルタで開いた定例政策理事会後の記者会見で、ユーロ圏のデフレ懸念と新興国経済の先行き不安を受けて、追加金融緩和を12月の理事会で検討する意向を表明した。これを受けて同月3日の理事会で、量的金融緩和の拡充、中銀預金金利のマイナス幅拡大が決まる可能性が出てきた。
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ユーロ圏では4~6月期の域内総生産(GDP)が前期比0.4%増となったが、失業率は11%と高水準にある。消費者物価指数は9月に前年同月比で0.1%下落し、インフレ率は3月以来のマイナスとなった。
ECBは同日の理事会で、ユーロ圏に適用される最重要政策金利を史上最低となる現行の0.05%に据え置くことを決め、他の政策金利も変えなかった。しかし、ドラギ総裁は記者会見で、中国など新興国の景気減速がユーロ圏経済を圧迫する恐れなどに言及し、「金融緩和の程度を12月の理事会で見直す必要がある」と述べた。
ECBはユーロ圏の国債などを毎月600億ユーロ買い入れる量的金融緩和を実施している。実施期限は16年9月。予定通り進めた場合の買い取り総額は1兆1,000億ユーロに達する。ドラギ総裁は「あらゆる手段を講じる用意がある」と述べ、12月に量的緩和の規模拡大、期間延長を検討することを明らかにした。また、今回の理事会で民間金融機関が手元資金をECBに預け入れる際の金利(中銀預金金利)の調整が協議されたことも明らかにし、同金利のマイナス幅を現行の0.2%から拡大することを示唆した。
photo by Epizentrum
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