フィリピン政府、2016年のインフラ整備に299億ペソの予算
運輸通信省高官は2016年の予算で、299億ペソをインフラ整備費として計上していることを明らかにし、特に航空、空港整備関係に重点を置いているとその内訳を次のように説明を行った。
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①航空システム・空港90億ペソ強(政府支出67億ペソ、国際援助23億ペソ)、②鉄道・交通整備79億ペソ強(政府支出34億ペソ、国際援助45億ペソ)、③港湾12億ペソ(政府全額支出)。
④道路・橋17億ペソ強(政府支出4億ペソ、国際援助13億ペソ)、⑤その他99億ペソ強(政府支出91億ペソ、国際援助8億ペソ)となっている。
相変わらず国際援助の比率が高く、今回は予算額の3分の1が国際援助頼りとなっている。
①の航空システム・空港に多くの支出を見込んでいるのは、観光省が目標とする年間外国人観光客訪問者数1000万人を達成させるために可能な限り配分したためである。
その内容はワースト1の汚名を持っているマニラ国際空港(事業費2500万ペソ)、台湾からのギャンブル客を受け入れているルソン島北部ラウアグ国際空港(同1350万ペソ)、元米軍基地のクラーク国際空港(同20億ペソ)など、国内空港13以上の近代化、3空港の拡張、4空港の改修などとなっている。
また、②の鉄道・交通整備ではマニラ首都圏の軽量高架鉄道(LRT)2号線の西部延伸(同20億ペソ)、同1号線北部延伸(同1千万ペソ)、首都圏次世代バスシステム導入(同2億ペソ強)など9事業を予定している。
③の港湾については37ヶ所の港湾の改修、建設事業を計画。対象となる港湾の内容は、貿易港として23港、観光用として4港、また、ミンダナオ地方で樹立が確実視されているバンサモロ自治政府の港湾として10港が挙げられている。
こういった運輸通信省側の説明に対して、議会筋からは入札の段階で慢性的に遅れているのが目立ち、入札の能率、簡素化と透明性を求められた。
これはLRT1号線延伸事業で、フィリピン政府による契約違反が発生し、この事業と経営権を受注した民間合弁会社に対して罰金支払い義務が生じる事態が起き、運輸通信省が予算管理省に罰金額75億ペソ強の予算支出を求めたと、国内メディアが報道しているためで、これに対して運輸通信省高官は『予算申請の事実はなく、罰金を支払う義務もない』と否定している。
これに対して法廷闘争に持ち出される可能性もあり、マニラ国際空港第3ターミナルを巡って先頃、最高裁によって事業主体の民間会社側が勝訴、フィリピン政府側に巨額の賠償金が科せられた事例から、相変わらずフィリピン政府は学んでいないのではないかとの指摘を受けている。
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