8月25日、教育省は子どもたちの学力が低い理由を「勉強のしすぎ」とし、ストレス軽減のため、試験的に小学校と中学校での後期の授業時間を、午後4時から2時に短縮すると発表した。しかし、世論はすぐさま反発。「授業がなくなったからといっても遊ぶ時間が増えるだけ。根本的な解決にはならない」といった意見が噴出している。
2012年に世界60ヵ国で行われた国際学力テストの結果によれば、タイは50位。1位は中国、2位はシンガポール、そして日本は7位。平均点数は494点で、タイは427点。これでは教育水準が低いといわれるのも仕方がない。
また、毎年、行われているタイの全国統一学力測定試験の結果によると、タイの子どもたちの知識は世界的な水準よりも劣っており、74%が国語の読解力が低いと指摘されている。
学力が低い理由の一つには教える側、つまり教師不足の問題もあるとされる。年間3000〜4000人が教職に就くものの、タイ全土でみると全然足りていないのが現状。タイも日本と同様、公務員は給料が安く、自ずと人気も低い。民間の人件費と比較すれば、致し方ない現実ともいえる。
また、カリキュラムも問題とされている。公立学校の教育システムはかなり古く、実践的ではないという。ここら辺は日本も同様だが、公立学校では“点を取る”ためのメソッドが欠けており、塾と比較すると見劣りするのは否めない。
教育省は前述した授業時間を短縮したあかつきには、午前中に国語や数学などの学業を集中させ、午後は体育や美術、音楽などに充てると発表しているが、学力向上に直結するのかは懐疑的である。
長年続いているタイの教育問題。一朝一夕で解決できないのは明らかだろう。