新憲法案否決、民政移管は2年後に?
新憲法案が否決。起草委は解散。議会選挙、早くて2017年3月
民政復帰へのシナリオが振り出しに戻った。6日、約1年に及ぶ検討の末、憲法起草委員会がまとめた新憲法案が、タイ国家改革評議会(NRC)で賛成105、反対135、棄権7で否決された。起草作業は再スタートを切らねばならず、少なくとも今後2年は軍事政権が存続する見通しで、民政復帰はさらに遠のいた。
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当初、新憲法案は承認されるだろうという見方が大方だったが、一転、否決という結果に。地元メディアはこぞって「プラユット暫定首相が否決を望んだ」という論調を鮮明にし、当の本人は「(否決という結果は)新憲法案が、民主主義ではないと思われたからだろう」とコメントした。
なぜ否決に転じたのか? 同案には、国会を超越する権限を持つ「国家改革和解戦略委員会」なる組織の設置や、首相選出条件に非議員でも可能とする条項が盛り込まれ、採決以前から 「非民主的」との批判が続出。仮にNRCで承認されたとしても、国民投票で否決される可能性が高いとの見方が強まり、NRC内で反対票へ投じる派閥が拡大していた。
新憲法案は否決され、起草委員会も解散した。これにより、今後、国家平和秩序維持評議会(NCPO)は約1ヵ月以内に新たな起草委員会を再設置。任命を受けた新起草委は約半年をかけて新たな憲法法案をまとめる。
それに伴い、ウィサヌ副首相は民政復帰までの新たなロードマップを発表。国民投票を経た新憲法制定のめどを2016年9月とし、議会選挙は17年3〜6月頃とした。つまり、選挙後の新政権樹立(民政移管)は、約2年のお預けとなる。
ご多分に漏れず、調査機関ニダポールは新憲法案否決についての国民意見を発表。それによると、38・1%の国民が「否決に賛成」と解答。なかには「承認され、国民投票で否決となれば、約30億バーツの予算が無駄になるとこだった」との指摘もあったという。
果たして、新行程表通りに進むのか。同じような結果を招き、その後も堂々巡りが続くのではと、少々、疑念を感じずにはいられない。
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