スピエン・ツバサは、ベトナム最大の都市ホーチミンに繋がる橋だ。橋が完成する以前はネアックルン地域でメコン川に分断され、渡るためにはフェリーを活用するしかなかった。
フェリー自体待ち時間は約30分ほどだが、繁忙期になると7、8時間待ちとなり、夜間は運行していない為、プノンペンとホーチミン間の移動のネックになっていた。
そんな救世主のような橋は、主橋梁640メートル、橋長2,215メートル、取り付け道路を合わせた全長は5,400メートルに及び、カンボジアでも最大規模の橋である。また、眺めが良い事から、完成当時は物珍しさから、近隣その他、沢山の観光客で賑わっており、日中からゴザを広げての宴会などを楽しむ者も多かった。
しかし、交通の妨げになることや、危険という事もあり宴会などする者は警察などの指導により撤去を余儀なくされた。
オープンから約5か月ほど経った先日、その橋の様子を見に行ってきた。
橋の途中では警察官が監視しており、騒がしい事は出来ない状況。そして、肝心の橋の一番高いところあたりにはやはり人だかりが残っていた。物売りまでする人間がおり、いまだその人気は衰えてない様子。
ASEAN経済共同体を目前に控え、経済発展などの要因で発展が著しい反面、格差が広がるこの国では、お金をかけずに楽しむ為の方法を日々の生活の中から模索しているのかもしれない。