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セブ空港、順調な乗客数の伸びも受け入れが不備

フィリピン民間航空局の発表によると、2015年第一4半期(1月~3月)の国際便利用客数は534万人となり、これは前年同期比と比べて28%増となっている。

国内航空会社で国際便を飛ばしている航空会社の中では、フィリピン航空が148万人で首位を占め、2位にはセブパシフィック航空が84万人弱が入り、3位はエアアジア・ゼスト航空の18万人弱となった。

なお、外国の航空会社を利用した乗客数は280万人に上り、これは半数を超える52%強となっている。

こういった中、フィリピン航空は業績の向上を目指して先頃復活したマニラ発のヨーロッパ便に続いて、セブ―ロスアンゼルス間に直行便を就航させることを決定した。

これは在米のフィリピン人がセブへ帰る時に、料金の安いキャセイ航空の香港乗り換えセブ便を利用するケースが多いために就航させるもので、利便性は向上するもののフィリピン航空の運賃体系は高い体質のため、直行便でどのような運賃を提示されるか注目されている。

また、フィリピン航空は9月1日から国内線の発券手数料を従来の168ペソから250ペソに引き上げることを当局側に申請した。なお、国際線の発券手数料は現行の504ペソの据え置きとなっている。

このように運航側は着々と経営を固めているが、肝心の空港については心もとなく、現在のマニラ国際空港の離発着が飽和状態になるのも問題視されている。

マニラ国際空港は4つのターミナルがあり、ターミナル間の接続は全く考えられていないバラバラに建てられた構造で、世界で最もターミナル間移動に不便な空港とも言われている。

これに対しては各ターミナル間をモノレールで繋ぐなど計画はあるが話だけの段階である。

また、将来に備えてマニラ湾を埋め立てて新空港を造る計画も挙がっているが、膨大な資金に対してどうするかが解決されていない。

このため、現在も数本の国際路線を持つパンパンガ州にあるクラーク国際空港を整備して国際空港の拠点にする現実的な計画もあるが、マニラ首都圏から遠く、アクセス整備から考えないと現段階では難しい状況となっている。

一方、マクタン・セブ国際空港だが、空港周囲は住宅、工場に囲まれてこれ以上の拡張は無理で、滑走路にしても増設、延長は不可能な状態となっている。

現在は、就航便の少なさから不便は来していないが、やはり新空港プランは計画にあり、現在の空港近くの湿地帯を埋め立てて新空港を造るとするが、資金面と環境破壊などで実現は難しいと見られている。

このように伸び続ける航空客に対応するためには早い対応、計画の実施が求められるが、当局にはその時が来るまで待つ姿勢に終始している。